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泉区 社会

公開日:2016.04.14

笑えて学べる手話が話題
難病・障害を乗り越えて

  • 手話で「ありがとう」を表現する竹田さん(左)と宮本さん

 面白くてタメになる手話の動画が話題となっている。「『ありがとう』はアイーンをして、チョップ!これなら子どもでも覚えられる。動画を通して1つでも手話を覚えてもらえたら」。そう話し、楽しそうに笑い合うのは、和泉が丘在住の「くまぷう」こと竹田英雄さん(50)とパートナーの宮本涼子さん(35)だ。

 2009年4月、動画サイトYouTubeに「手話で話そうチャンネル」を開設。身近な季節ネタ・時事ネタから手話検定試験で出題される単語まで、さまざまな手話を動画で紹介してきた。その数、3500以上。「勉強するために見る」というよりも、「面白くて見ているうちに覚える」というのが理想という。「楽しんでもらえること、笑ってもらえることが最優先。再生回数は気にしない」というが、ファンは世界中にいる。「コントが面白くて手話の勉強が楽しくなった」「前向きな2人に勇気づけられた」といった声が寄せられたり、アメリカからは似顔絵を添えたファンレターが届いたこともある。

 撮影場所は自宅に黒幕を張った簡易スタジオや自宅そばの和泉川周辺など。時には表情豊かにコント仕立てで、時には竹田さんが作ったオリジナル曲で、動きが分かりやすいように3方向から撮影するといった工夫も重ね続け、このほど7年目に突入した。「見た人からの反応がなければ、ここまで続けられなかった」と竹田さん。宮本さんは「動画を見てもらうことも、2人で作ることもどちらも楽しい」とほほ笑む。

 明るく幸せそうに活動する2人だが、難病と障害に悩み、苦しんだ過去がある。竹田さんは17歳のころ多発性硬化症により一時寝たきりに。宮本さんは2歳のころに聴覚を失い、周囲とのコミュニケーションがうまくとれず、引きこもりに近い状態で22歳までを過ごしてきたという。

 今では冗談を言ったり、ボケにツッコんだりと笑いがあふれる手話での会話に幸せを感じている2人。「難病・障害があるからこそ楽しく過ごさなきゃ。『幸せ』『楽しい』って口にすることも大切だよね」と笑う。

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