泉区薬剤師会の会長を務める 藤原 文子(ふみこ)さん 泉区在勤 66歳
今こそ「昔の薬局」に
○…病院で処方箋をもらってから薬局を訪れる人が多いが、病院に行かなければならない状態になる前に、日頃から健康相談をしに薬局を訪れてほしいと語る。目指すのは、ちょっとしたことでもすぐに相談でき、患者をよく知る「かかりつけ薬剤師」だ。過去に処方した薬は、体質は、ライフスタイルは…と把握していれば安全性・有効性も増し、適切なアドバイスもできる。昔は多かったこの形が今、改めて必要とされている。
○…薬剤師の役割は多岐にわたる。学校薬剤師としてプールの水質検査や給食室の点検、災害時の医薬品も備蓄するなど、地域住民の健康を陰ながら支える。会長に就任して、3年目。かかりつけ薬剤師の定着を目指す上で、個々の専門性や意識を高める必要があると考え、会員制度を店舗ごとから個人に変更。毎月の研修も充実させた。26日には健康フェアを初開催。「継続した活動にしたい」と意気込みを見せる。
○…本を読んだり、文章を書いたりするのが好きだった学生時代。転機は大学受験。「手に職を」と考え、選んだのは人の健康に携わる仕事。文系から理系へと移る、思い切った決断でたどり着いたのが薬剤師だった。19年前、「あすか薬局」を白百合に開業後、地域に寄り添うことを心掛けてきた。薬のためだけでなく、健康相談、時には話し相手にと来店する人が多いのは信頼あってこそ。家庭でも人の健康を支える仕事の素晴らしさを事あるごとに話していたためか、2人の娘は薬剤師、息子は医師の道に進んだと笑う。
○…6年前にオープンした西が岡店は1軒家を改装する際に一工夫。入口はウッドデッキ、店内にはリラックスできる音楽や飲み物を用意。しゃれたインテリアや生花を飾るのもこだわりの一つだ。「目指すのは薬局カフェ。処方箋がなくてもゆっくりしていってほしいですね」。女性らしい心遣いで薬剤師と区民をそっとつないでいく。
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