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泉区 人物風土記

公開日:2017.07.06

泉マンドリンクラブの代表を務める
波多野 睦子さん
保土ヶ谷区在住 53歳

楽しむ気持ちを力に

 ○…今月開催される2年に一度の定期演奏会に向け、練習の日々を送る。流行の曲から懐かしい歌謡まで、メンバー一丸となって合奏曲を作り上げる。設立25周年を迎えたクラブでは高齢化が進み、中には前より曲が上手く弾けなくなってきたなんて人も。代表として意識するのは「みんなが楽しいと感じる居場所づくり」だ。マンドリンを弾くことで感じる喜びを観客に伝えたい。

 ○…マンドリンと出合ったのは、短大生の時。小学生からピアノを弾いていたこともあり音楽系のサークルを探していたところ、「音色がきれいな上に、小さくて持ちやすい」マンドリンに興味を持った。短大のサークルでできた友人がたまたま横浜に引っ越してきたのをきっかけに、共に現在のクラブに入会。はじめは演奏のブランクを心配したが、練習に打ち込んだ学生時代の成果が表れたのか「指は演奏を覚えていて、びっくりだった」と笑う。

 ○…熊本市の生まれ。短大を卒業すると、保険会社に就職。職場で出会った夫と結婚し2人の子どもを育て上げた。横浜に来る前は、転勤族の夫とともに家族で、千葉、横浜、広島と各地を転々。「どうせなら、転勤を楽しもう」と、次の街が決まるとガイドブックを買ってきて、家族で眺めたのは良い思い出だ。大変なことも、楽しく乗り切ろうと工夫してきたから、家族の中では「みんな、それぞれ楽しく好きなことができれば」という雰囲気が流れているという。そんな家族の存在は「ありがたい」と感謝を口にする。

 ○…年に数回は熊本に帰省する。先の熊本地震では実家周辺も大きな被害を受けた。「奇跡的に家は無事だったが、崩れた熊本城を見た時は呆然とした」。帰るといつも変わらずそこにあるものが、なくなった衝撃は大きかった。今は、日々の当たり前に感謝する。健康にも気を配るようになった。まだまだ楽しみなことがたくさんある。

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