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公開日:2020.05.28

雲じぃじ、空旅”卒業”
自家用ヘリで空撮50年

  • 中丸定昭さん

  • 納入時のようす(1990年)

 約50年に渡り、所有するヘリで毎週フライトし、写真を撮影してきた中丸定昭さん。このほど高齢などを理由に”卒業”した。30冊以上に及ぶ分厚い写真ファイルと、ヘリで得た繋がりはかけがえのない財産だ。

 中丸さんは、新橋町にある「戸塚自動車学校」の前代表取締役。教習所のパンフレットに載せる航空写真の撮影のためにチャーターしたのがヘリとの出会いだ。その時、空を飛ぶ爽快さにすっかり魅せられ、自らも操縦桿を握りたいと、訓練を開始。1973年に免許を取得して以来、約週1度のペースでフライトを続け、これまでの総飛行時間は約1860時間。

 もう一つの楽しみは空からの写真撮影。宮ケ瀬の雪景色、雄大な富士山、真ん丸の深谷通信隊跡地など、パートナーとともに試行錯誤しながらその時代、その季節のまちなみを切り取ってきた。最初こそ風景写真だったが、定点的に撮り続けることで、その写真が、地域の時間の流れや発展を映し出す鏡のようなものであることに気づいた。それからは自分の趣味としてはもちろん「今の時代を未来へつなぎたい」という、どこか使命感に似たような思いで空撮を続けてきた。そして、いつしかついたあだなは「泉区の雲じぃじ」だ。

 その雲じぃじも75歳。「車の運転より楽だよ」と笑い飛ばすが、上空では少しのミスでも命取りに。技術の維持はもちろん、機体の定期点検や部品の交換、身体検査も欠かさず、体力維持にも努めてきたが、家族からは心配の声も聞くように。ちょうど機体の部品交換の時期も重なり、フライト人生を閉じることに。ラストフライトは5月24日だった。

 撮り続けてきた航空写真のファイルは30冊以上。学校等に写真をプレゼントすることもあり、ヘリコプターを通じて出会った人が自身の宝物。これからはヘリを小型ユンボに乗り換え、裏山の手入れに勤しむ予定だ。

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