旧上瀬谷通信施設(瀬谷区、旭区)で計画されている土地区画整理と都市高速鉄道上瀬谷ラインの環境影響評価に関する説明会が、8月1日から5日にかけて両区で4回開催され、合計でおよそ470人が訪れるなど関心の高さを伺わせた。
進む跡地利用計画
2015年に米軍から返還された旧上瀬谷通信施設は約242ヘクタールと広大で、民有地や国有地が混在している。横浜市は、跡地を郊外部活性化の拠点と位置づけ、地権者などと土地利用の検討を進めてきた。
現在の計画によれば、土地利用は「農業振興」「公園・防災」「観光・賑わい」「物流」の4ゾーンで進められる。観光・賑わいゾーンはテーマパークを核とした複合的な集客施設を整備する計画もあり、市は跡地を年間1500万人が訪れる場所にしたい考え。また、27年の国際園芸博覧会の開催に向けた取り組みも進められている。
土地利用や花博開催に伴い計画されている上瀬谷ラインは、相鉄線瀬谷駅周辺に設ける(仮称)瀬谷駅から、跡地の(仮称)上瀬谷駅と車両基地まで約2・6Kmを結ぶ。住宅や店舗がある南区間は地下式、北区間は地表式で、軌道上をゴムタイヤで走るシステムが検討されている。供用開始は26年度の予定。
来場者から意見
説明会は環境影響評価法などに基づき行われたもので、1日の瀬谷公会堂には約200人が来場。区画整理と上瀬谷ライン整備の工事や供用が、周辺の水や大気、生き物などに与える影響について市職員から説明があった。
質疑応答では近隣に住んでいるという来場者などから、環状4号線や八王子街道、周辺の生活道路に渋滞が発生するという懸念や対策を求める声が上がった。また、テーマパークと新たな交通の実現性や採算性を疑問視する声が上がり、コロナ禍のなかで計画を再検討すべきという意見もあった。その一方で、長期的な視点で横浜市に活力を生み出し盛り上げていくため、事業の必要性を訴える参加者もいた。
環境影響評価に関する両事業の方法書は9月3日まで、建築局都市計画課や市役所市民情報センターなどで縦覧できるほか、解説動画が市ホームページで公開されている。意見書の提出も同日まで。
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