誰もが被害に遭う可能性がある特殊詐欺。7月1日現在、泉区内で今年に入ってからの被害認知件数は15件(速報値)で、被害総額は約4800万円。昨年の年間総被害(34件・約3920万円)と比べると被害額が圧倒的に増えている。被害に遭う区民を一人でも減らすため、泉区役所・泉警察署・泉区連合自治会町内会長会は注意を呼びかけている。
「直接出ない」が最大の対策
「留守番電話を設定して、電話は直接出ない。これが被害を防ぐための一番の方法です」。泉警察署の柴田直樹署長はこう語る。
泉警察署が呼びかけているのが、留守番電話の常時設定。犯人は自分の声が録音されるのを嫌うため、これだけでも一定の抑止力になる。
録音機能がない電話機に外付けできる対策機器も販売されている。これを機に留守番電話に買い替えるのも一つの手だ。
スピーカーで相手の声を聞き、画面に番号が出ていれば登録された番号か確認。知らない市外局番や、行政機関を名乗っているのに番号が携帯電話の場合は要注意だ。
うっかり応答してしまったときは『お金』『キャッシュカード』『暗証番号』などの言葉が出たら、電話口の相手が親族や公共機関を名乗っていても詐欺を疑ったほうがいい。「区役所から電話で還付金の連絡が来ることは絶対ありません」と深川敦子区長。
「オレオレ」再来
今年に入ってから増えているのが「オレオレ詐欺」と呼ばれていた昔の手口。息子や娘になりすまし「交通事故の示談金でお金を貸してほしい」「仕事でミスをしてしまってお金が必要」などと電話をかけてくるのが常とう手段だ。
事前に家族で「合言葉」を決めておくなどもひとつの手。連合自治会町内会長会の馬場勝己会長は「自治会町内会でも回覧板などで地域全体で詐欺を防ごうと活動しています。一人暮らしの方も近所の方などに相談してほしい」と話す。
振り込め詐欺一件あたりの被害額を単純計算すると約300万円。毎月10万円貯金したとして2年半かかる金額が、電話一本で奪われてしまう。「自己防衛」の意識とともに、地域ぐるみでの対策も必要だ。
■取材協力/泉警察署生活安全課【電話】045・805・0110
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