日本サッカー協会100周年功労表彰を受賞した 伊藤 清春さん 上飯田町在住 74歳
「踏むな 育てよ 水注げ」
○…新設の公立校を全国大会に11度導き、高体連の専門部長として競技運営にも尽力するなどの活動が、サッカー界の普及発展を称える今回の日本サッカー協会100周年表彰につながった。公立高校の校長を歴任するなど、教育界での貢献が評価されて昨年受章した春の叙勲(瑞宝小綬章)に続いての慶事。「うれしいですね」と思わず顔をほころばせる。
○…山梨県生まれ。外国文化漂う文化都市ヨコハマに憧れて、神奈川県の教員を目指した。初任地は川崎技術高校の定時制。サッカー部の顧問となり、2年目で県定時制通信制大会で優勝。自らの指導に自信を深めていく中、1974年に当時開校2年目だった旭高校の顧問に就任。これが「旭トータルサッカー」伝説の始まりだった。
○…「知・徳・体のバランスが取れたトータル人間」「技術・戦術・体力・知識を備えたトータル選手」「一人ひとりに居場所があるトータルチーム」。練習場所もままならない頃からこの3つを「旭トータルサッカー」として部員たちに説いた。「踏むな、育てよ、水注げ」の精神で目指すべきイメージを各々に持たせ、才能を開花させる指導を心がけた18年。その結果全国で活躍するチームを作り上げ、Jリーグやなでしこリーグの監督を務めた菅野将晃さん、浦和レッズの黄金期にGMだった中村修三さんなど、のちに日本サッカー界で活躍する人材を育て上げた。
○…8年前から泉区サッカー連盟会長を務める。74歳の今も、深夜に衛星放送で欧州サッカーを見るのはもちろん、教え子たちとフットサルにも興じる。「ゴールが入った時の、頭のてっぺんから背中にかけて衝撃が身体を駆け巡る感覚。これは辞められないね」と笑顔を見せた。
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