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泉区 人物風土記

公開日:2022.02.03

5月にブラジルで行われるデフリンピックのテニス日本代表に内定した
宮川 百合亜さん
西が岡在住 18歳

活躍で広げるデフの道

 ○…「実感がわかない」。聴覚障害者によるデフテニスに出逢い、まだ2年。「勝ちにこだわるなど、自覚をもってやらないと」。日の丸を背負う思いがこぼれるが、代表内定をつかんだ今も夢のよう。本番は5月のブラジル。「試合になって初めて感じるかも」。そう言ってはにかむ。

 ○…テニス一家に生まれた。遊び道具はラケット。3歳から始めた。時を同じくして、両耳の障害が発覚。「保育園で返事はするのに、言われたことと違うことをやってばかりだったみたいで」。それでも補聴器をつければ日常生活に支障はなかったため、学校もテニスもずっと一般と同じだった。転機は高校1年の時。出場した関東大会で聴覚障害の選手と対戦。デフテニスを知った。「代表になれるかもと思った」。迷いなく、道を選んだ。

 ○…今は、寝ても覚めてもテニス一色。それが楽しいという。週に6日、戸塚区のスクールに通い、一日休むというサイクル。「とりあえず寝て忘れる」というのが息抜き法。SNSで憧れの選手の様子をチェックするのも日課だが、トッププロは見ない。「地道にがんばっている国内選手が好き」。トレーニングを真似したり、一番近い目標にする。「自分も頑張ろうと元気になる」

 ○…先日、大会でプロ選手と対戦し負けた。差を感じながら、そのステージに立ちたいという思いは強くなった。これまで通り一般の大会にも出場していく。「全日本選手権やインカレでも成績を残したい」。多くの目標を口にするが、目下はデフリンピックでのメダル。「あまり緊張しないタイプ。楽しみでしかない」。代表内定でついた自信。「デフテニスを広めるために活躍して発信したい」。目指す金色の頂へ、笑顔で挑む。

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