市内3校目となる小中一貫の義務教育学校「緑園学園」=緑園5の28=が、4月1日に開校した。9年の教育課程で、グローバルな人材育成などを目指す。同日行われた開校式には、地域住民や学校関係者らが出席。住民からは、長年要望が上がっていた中学校設置の念願が叶ったとして、喜びの声も聞かれた。
小中の9年間に一貫した教育を進める義務教育学校。市内では霧が丘学園=緑区=、西金沢学園=金沢区=に続く3校目となる。施設一体型とする校舎は旧緑園東小学校をベースに改装、増築。小学校6年間を前期、中学校3年間を後期として一貫教育を行う。
通学するのは、緑園東、西小学校の児童と、2校の学区内で岡津、名瀬中学校に通う生徒で、前期約770人、後期約250人。
開校式では、横浜市教育委員会の鯉渕信也教育長が開校宣言を実施。「世界で活躍する人材育成を」と期待した。
新型コロナ感染防止のため、動画での参加となった児童らは「東小と西小、新しい出会いを大切に、みんなと仲良く」「楽しい学校を作っていきたい」とメッセージを寄せた。
20年超える悲願
緑園地区への中学校設置は、20年以上前から続く住民の悲願だった。住民の一人は「予定地があるまま進まなかった」と話す。
長年、要望を続ける中、2014年度に緑園東小と隣接する学校予定地を活用し、22年度の開校を目指す設置方針が決定。16年度から、地域や保護者代表などから成る開校準備部会、一昨年度からは準備委員会が設置され、通学区域や学校名などについて、話し合いが進められてきた。
開校式であいさつに立った同委員会委員長で、緑園連合自治会の成田俊人会長は「待望久しく、開校は嬉しい」と率直な思いを吐露。一方で「区切りであり目的でない。より良い教育を行うのが大切」と今後にエールを送った。
学校施設は既存校舎地上3階、増築校舎地上4階の鉄筋コンクリート造。32ある普通教室には、プロジェクターが設置され、一人一台端末に対応し授業で活用される。そのほか、最大150人の座席が確保でき、大型プロジェクターを利用して交流活動を可能とする発表交流ルーム、図書館機能にICT活用スペースを整備し、各種メディア媒体などを学習にいかすA・L・L(アクティブ・ラーニング・ライブラリー)といった特色ある設備も備わる。
学校の記憶、ステンドグラスに地域と子ども、思いの結晶
「長年親しんだ学校の記憶を残したい」。卒業生や地域の思いの結晶が、ステンドグラスとなって緑園学園に設置された。
新設が決まった数年前から上がっていた声。同じ気持ちでいた住民らが形にした。昨年11月から学区内の14自治会と法人から寄付を募り、計227万円を集めた。
高さ2m、幅80cm大のステンドグラスには、緑園東、西小の校章などをあしらった。設置に奔走した緑園二丁目自治会の貝沼貞夫会長は「両校の思い出を残しつつ学園発展のシンボルになってもらえれば」と話した。
寄付金は余剰分があるとし、テントや法被などを購入して学園に贈るとしている。
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