区内で傾聴を目的とした「気持ちの聴き方講座」を続けて25年になる 潮田 健治さん 和泉中央北在勤 71歳
自分の心と向き合って
○…テアトルフォンテなどで続けてきた傾聴講座が25周年を迎える。講座を主催するNPO法人心を聴く市民ネットワークの理事長を務め、本業は泉教会の牧師。「心を病む人にどう接したら良いかは、牧師の学校では習わなかった」と、講座を受講してカウンセラーの資格を取得した。傾聴講座の受講生はのべ480人ほど。「カウンセリングマインドを持つ人が増えて、暮らしやすいまちになっていたら」
○…開講のきっかけは泉教会の設立。カンバーランド長老教会(プロテスタント)の他の教会で19年牧師を務め、新天地となったのが泉区だった。「教会に来てもらうとかの前に、地域活動で知り合いを増やしたくて」。そんなきっかけだったが、25年を経ても変わらず少人数の講座を続けている。
○…瀬谷区出身。両親がクリスチャン、というわけではない。高校3年の時、駅前でたまたまもらった教会のチラシをもとに、どこか惹かれて足を運んだ。「来てくれてありがとう。また来てね」。悩んでいたわけでもなかったが、その言葉が嬉しくて、通うようになったのがきっかけだ。大学では機械工学を学び、一度は技術職の道に進んだが、「研究で無機物と向き合うより、人と向き合う仕事がしたい」との思いが次第に強くなり、牧師の道に進んだ。
○…自身は「農家の長男」だという重圧を知らず知らず抱え続けてきた。長男なんだから―。それが解かれたのがカウンセリングだった。「自分の心と向き合うのは難しいけれど、それなしには他人にも寄り添えない」。2人の娘はすでに結婚して家を出たが、自分を大切にしてほしいと願い続ける。「自分の土台を大切にできてこそ、他人の土台も大切にできるものだから」
|
|
|
|
|
|