65歳未満で認知症を発症する「若年性認知症」。その当事者の会がこのほど泉区内で立ち上がり、いずみ野地域ケアプラザを拠点に活動を始めた。若年性認知症は働き盛りに発症するケースもあり、仕事や家事、家族などへの影響も大きいが、当事者同士が交流できる場は横浜市内でも数少ない。同会では語り合いのほか、当事者同士で決めた活動にも取り組んでいく方針で、当事者やその家族の参加を呼びかけている。
同会設立のきっかけは昨秋、若年性認知症の夫を持つ区民の一人(Aさん)が自宅最寄りのいずみ野地域ケアプラザの職員に思いを打ち明けたことだった。「これまでは港北区の当事者の会に参加していたが、症状が進行するにつれ、遠くて一人では行けなくなってしまった。身近に当事者の居場所があれば」
Aさんの夫は6年前、64歳の時に若年性認知症と診断を受けたという。思いを打ち明けたのはちょうど横浜市が、認知症サポーターと当事者がチームを組んで認知症支援に取り組む「チームオレンジ」に今年度参画する施設を募っていた時期。そのこともあり、ケアプラザ側も会の立ち上げを支援する形でAさんの思いを後押しし、チームオレンジに取り組む施設としても手を挙げた。
名称も当事者同士で
設立にあたってはAさんが家族会の仲間に声をかけるなどして、当事者3人、6家族が泉区内外から集まった。7月17日に行われた2回目の活動では当事者同士が話し合い、会の名前を「フレンドハーモニーの和」に決定。今後はゲームや農作業活動などを検討している。「当事者も家族も初期の頃は特に仲間が欲しいと思う。同じことを何度聞いても構わない雰囲気で、仲間同士屈託なく話ができる。来月もまた来たいと思ってもらえたら」とAさん。
若年性認知症の人は就労中や体力はあるなどの事情から初期段階では要介護認定を申請していないケースも多く、自治体も実数などを把握しきれていない。しかし、何もせずにいることで症状が進行することもあるとされる。ケアプラザの職員は会について「出てくる場が一つ増えたと思ってもらえれば」と話す。当事者から「まだできることがあるのに解雇され悔しいという話も聞いた」と言い「できることを応援したい」。会場では介護経験者からのアドバイスも受けられるという。
開催はいずみ野地域ケアプラザで毎月第3日曜日(9月は第2日曜)午後1時30分〜3時30分。若年性認知症の人や家族であれば申し込みの上、誰でも参加可能。居住地も問わず見学もできる。次回は8月21日を予定している。詳細・申込みは同ケアプラザ【電話】045・800・0322へ。
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