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公開日:2022.09.15

泉区在住綿貫さん
MRI検査を「数分に」
市経済局が起業後を支援

  • (株)イクシナの綿貫代表



 「MRI検査を従来より高速にできる技術で、世界に貢献したい」――。泉区在住の綿貫竜太さん(46歳)が今夏設立し、代表を務める株式会社イクシナが9月から、横浜市経済局の起業家・スタートアップ支援プログラムに参加している。支援を受けながら事業の本格化を目指し、綿貫さんは「技術が広まれば、病気の早期発見に繋がる」と語る。





他の研究から派生





 綿貫さんは横浜国大大学院で博士号(工学)を取得後、東京大学物性研究所の研究員を経て、2006年から昨年9月まで横浜国大大学院の助教を務めた。専門は「物性物理学」といい、「マイナス270度くらいの低温と、強い磁場の中での電子のふるまい」の研究を主に続けてきた。





 そうして金属の電気抵抗を研究する中で、仲間とともに新たな技術を確立。そしてこの技術をMRI検査に応用することで、従来より高速での検査が可能になることがわかったという。





 CT検査と比べ、MRI検査は放射線を使わず、より多くの病気を見つけられるメリットがあるとされているが、「予約や検査時間の長さがネック。時間を短縮できれば、早く、多くの検査ができる」と綿貫さん。起業を決意して大学院を退職し、今年8月に(株)イクシナを設立した。現在はライセンス契約を結ぶ国内外のメーカーを慎重に検討中だという。





「プレゼン」の方法から





 設立に先立ち、綿貫さんは市経済局が関内の拠点「YOXO BOX(ヨクゾボックス)」で開く基本講座「イノベーションスクール」に参加。「自分は研究者でしかなく、プレゼンの仕方から勉強になった。専門用語は使わないなど、学術発表とは違うんだなって」と振り返る。





 9月から綿貫さんが参加している支援プログラムは急成長を目指す人たちを対象としたもの。市は横浜発のイノベーション創出を推進しており、脱炭素やAI、オンラインサービスなど最先端分野で事業展開を図る10者が参加している。綿貫さんは「横のつながりも重要。刺激を受けつつ、がんばりたい」と語った。

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