戻る

泉区 人物風土記

公開日:2023.03.30

2月の昇段試験で神奈川県勢としては最年長となる75歳で六段に昇段した
齊藤 美子さん
新橋町在住 75歳

何度も挑戦し続ける姿を

 ○…このほど長野県で行われた剣道の昇段試験で、今回の神奈川県勢では最年長として六段に昇段。挑戦17回目にして扉をこじ開けた。「七段だったらいいけど、こんなに時間がかかっちゃって恥ずかしい」としつつ、悲願に胸をなでおろす。新橋小で活動する「相模新橋剣友会」では代表を務め、「若者たちが挫折した時、齊藤先生もあきらめずに頑張ったんだから、と励みにしてもらえたら」と笑む。

 ○…剣道を始めたのも同剣友会。37歳の時、子どもたちの付き添いで通い始めたが、当時代表を務めていた故・藤田定良さんから「どうせ練習に来るのなら素振りでもしたら」と勧められた。そしてそのまま、子どもたちの指導も任された。「やったこともなかったけれど。しょうがないから見よう見まねで教えましたよ」。手探りながら、多くの子どもたちに関わってきた。

 ○…東京都目黒区出身。「18歳まで生きられないと言われていたんです」。子どもの頃は虚弱体質で外遊びやプールも控えるほどだった。それから結婚を機に横浜に移ると、保険営業やタクシー運転手、介護施設の職員など、さまざまな仕事を経験。子どもたちは成長につれ剣道を離れていったが、一人竹刀を振り続けていた。「やっぱり一本を取った時の気持ち良さ。やめようと思ったことはなかったな」

 ○…「代表と言っても雑用係ですよ」。そう言って体育館の鍵を開け、練習の準備を整える。新橋剣友会には子ども15人、大人35人が会員となっており、週3回の練習を続けている。「強さよりまず礼儀。そして仲良く」。前代表のモットーは今なお引き継いでいる。七段昇段の試験資格は6年後。「生きていれば、挑戦してみようかな」と声を弾ませた。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

泉区 人物風土記の新着記事

泉区 人物風土記の記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS