12月7日に吟詠普及公演を行う横浜岳風会の会長を務める 若林 岳洸さん(本名:若林 明さん) 桂台南在住 77歳
人の和と詩吟を広げる
○…横浜市内を中心に活動を行う横浜岳風会。「詩吟で健康・和をもって吟の道を志す」をスローガンに詩吟の普及に努めている。腹式呼吸により血行を良くし、詩や歌い方を暗記することで脳も使い、健康になる詩吟。「会員はさまざま。幼稚園生もいるよ」と笑顔で話す。
○…詩吟を始めたのは仕事に追われ、忙しい日々を過ごしていた40年ほど前。仕事以外にも楽しみを見つけたいと思っていたとき、詩吟をやっていた親戚に声を掛けられた。「人生、仕事だけで終わってしまうのはつまらない話。趣味を探していたら、たまたま詩吟に出合った」と振り返る。始めてから5年目くらいの頃、ある人が「相模湖の恨み」という詩を吟じているのを聞いて涙を流したことがあった。「もともと悲しい内容の詩だったけど、それよりも表現力に感動した」。以来、人を感動させたいという思いを持ち続け、詩人の気持ちになって吟じることを心掛けている。
○…詩吟と並行して長年続けているのはゴルフ。現在も月に2回ほど友人とホールを回る。「ゴルフも詩吟も同じで、うまい相手がいると負けたくないという気持ちが出てきて上達する」と、負けず嫌いな一面も。健康的で生き生きとした表情からは充実した日々が窺える。
○…「詩吟の魅力は色んな人との出会いかな」としみじみと語る。日本詩吟学院の認可団体は同会を含め、全国に200ほど。約6万人の会員を擁する。全国規模の大会も毎年開催されており、会員間の交流も盛んだ。「色んな人の体験談が聞けて、学ぶことが多い。人は大切にしないと」。同会の会員も年々増加し、現在は400人を超える。学校や地区センターなどさまざまな場所で活動しているが、さらなる仲間を求めて今回、初の普及公演を企画した。目標は「まずは和をもって健康」。これからも仲間を大切に、詩吟の良さを広げていく。