厳しい山道などを越え、3週間かけてイタリアを一周する自転車ロードレース「ジロ・デ・イタリア」。この大会を目指してイタリアのチームで、競技に取り組む青年がいる。
区内桂町出身の菱沼由季典さん(24)=写真。本郷小学校から横浜中学校・高等学校へ進んで高校から自転車競技を開始。卒業後にはプロを目指してフランスへ渡り、2014年からはイタリアのプロチーム「アモーレ&ヴィータ セラSMP」に所属して国内外のレースで奮闘している。
競技との出会いは中学3年生の5月。テレビで見た「ジロ・デ・イタリア」に魅了され、横浜高校の自転車競技部へ入部した。始めてみると「何も分からずに入った世界で、何もかもが新鮮だった」と熱中。高校3年間で目立った結果を残すことはできなかったが、3年生の夏には「海外でプロとして走りたい」という思いを抱いていたという。
卒業後は家族の理解を得て、海外で走るという思いを実現するために渡仏。アマチュアチームに所属し、ホームステイをしながら5ヵ月で約40レースを走った。1年目の海外挑戦は「レースの多さに衝撃を受けた。日本とは全く違う環境で、生活するのもやっとだった」。その後も苦戦しながらフランスと日本を中心に競技を続けて4年。14年には大会の際に来日したチームへ自らを売り込み、現在のチームと契約に至った。
ジロで1勝、そして五輪へ
現在はイタリアでの生活が中心で、欧州に限らず世界各国を転戦。年に数回は日本に帰国し、国内の大会にも参戦している。
チームとの契約は1年ごとだが、唯一の日本人として更新を続けて今年で3年目を迎えた。夢は「28歳となる2020年までに『ジロ・デ・イタリア』で1勝して、東京五輪に出ること」。自転車競技の本場であるヨーロッパの地で活躍し、日本代表として五輪出場を目指す。
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