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金沢区・磯子区 人物風土記

公開日:2022.03.10

画家としてウクライナへの支援を呼びかける
鈴村 稔さん
磯子区上中里町在住 74歳

描いた異国に思いはせる

 ○…2004年から10年にかけてウクライナを7度訪れ、現地の風景や人物などを描いてきた。「まさか自分がいた所を、こんなにニュースで見ることになるなんて」。いたたまれない気持ちを胸に、支援に向けて動き出した。

 ○…ウクライナを知るきっかけは、チェルノブイリ原子力発電所の事故。息子の誕生とほぼ同時期に起こった事故に関心を持ち、被災した子どもを支援する「チェルノブイリ子ども基金」へ募金をした。支援を続ける中で同基金の一員となり、初めてウクライナを訪れたのが18年前。「あの時は仕事だったので、絵を描くのは控えた」が、その後も現地の子ども民族舞踊音楽団の支援を兼ねて個人的に何度も足を運び、ウクライナ国内を回って絵を描いた。「皆とは言わないが、お互いを思いやる人が多い国」。自身が描いた作品の発表だけでなく、同国出身歌手のコンサートを企画するなど、ウクライナの風土や文化を日本で広げてきた。

 ○…横浜生まれで、出身は現在の栄区。小学生の頃に金沢区へ引っ越し、釜利谷小、金沢中、金沢高へ通った。横浜市の職員として農政局などで勤務し、20代の頃は南区の絵画研究所で学習。働きながら、休暇を使ってウクライナだけでなくヨーロッパを中心に旅した。「絵をやっていると、言葉が分からなくてもつながれることがある。そのふれあいがたまらない」。10年ほど前からは、スケッチを元にした木製パネルの作品も手掛け、独特の感性で見たものを表現している。

 ○…「戦争をやめてもらうのが一番だが、始まった以上は復興にもお金がかかる」。自らできる支援の形が大使館への募金の周知。かつて過ごした異国に思いをはせ、支援を呼びかけていく。

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