昨年4月に坂本連新区長が着任し、新体制での区行政がスタートした磯子区。就任後の印象や今年の方針、抱負などについて、坂本区長にインタビューを行った(聞き手/本紙編集長・水戸浩一)。
―区長に就任されてから9ヵ月が経ちましたが、区の印象はいかがでしょうか。
区長―就任当初、磯子区は地域のつながりが強い区と聞いていましたが、実際に区長として9ヵ月経ってみて、自治会町内会や地域活動といった地域の力、その中でも、例えば、保健や消費生活推進委員、G30応援隊、防災ボランティアなど、活動が盛んで驚いています。よく区長会などでも話をしたりしているのですが、これだけ地域の活動が盛んなところは、たぶん他にはないと思います。
市役所内では、保健活動推進委員や消費生活推進委員の継続について議論があったのですが、磯子についてはこの力をやめてしまうのはもったいないという話を、区役所内でも局とのやりとりでも話しました。磯子区はその辺がすごいなと、つくづく感じたところです。
―当初に比べて印象が変わったところはありますか。
区長―意外と自然が豊富だなと感じました。当初は海辺のイメージが強かったので、埋立地と大きな事業所という印象を持っていたのですが、氷取沢市民の森ですとか、久良岐、岡村とかへ行ってみて、山側の自然の豊富さが分かりました。まだまだ区内でも行ってみたいところはたくさんありますので、順番に行ってみたいです。
魅力づくりに取り組む
―昨年を振り返って、区として力を入れてきた事業についてお聞かせください。
区長―まず、福祉分野ですと、10月1日から徘徊高齢者の見守りネットワークがスタートしました。当初想定したよりも、より充実した形でネットワークづくりができましたので、非常に良かったと思っています。
また、区役所の1階スペースで行っている「こすもすショップ」を林市長が訪れた際、障害者の方々から、自分たちが作った商品を販売できる場所がもっとほし いという意見が出ました。そのあとに、1階の空き店舗を使って、コーヒーを出したり商品を常時販売できる「カフェ ル・シエール」の開店ができて、障害者 の方々の想いが実現できたのはよかったと思います。
もうひとつは、第2期となる地域福祉保健計画の策定です。今年早々に確定させて、4 月からの実施となります。計画の中で、地域による見守りと災害時の要援護者のサポートというテーマを、各地域で取り組んでいただく共通テーマとして盛り込 めたことは、ひとつの成果だと思っています。
最後に、毎年恒例の磯子まつりや健民祭、そして第2回となった区民駅伝があります。これらのイベントはこれからも続けていきたいと思っています。
―磯子まつりですが、区民のなかには以前のように、1つにまとめて大規模に実施したほうがよいのではという声もありますが。
区長―昔のように、交通規制をかけて開催というのは、現状ではなかなか難しい面があります。ただ、個人的には、1ヵ月以上にわたって行われている今の形を、もう少し集約することも考えてみたいと思っています。これから区職員とも議論をしていきます。
―今年は予算の策定をはじめ、区長が一から区行政を組み立てていく年になりますが、新しく打ち出していきたい施策などがありましたら、お聞かせください。
区長―職員に話しているのは、あまり目立つ必要はないということです。他区に比べて1番をめざす必要はないと思っています。とにかく地道にやっていこうというのが基本スタンスです。
ただその中でも、やっていきたいのはエコ関係。グリーンカーテンなどは、区民の方も巻き込みながら、もっと広く区全体に広げて行きたいと思っています。
あとは磯子の魅力づくりでしょうか。今でも区の花のコスモスや区の木の梅などがありますが、これをもっと打ち出していきたい。コスモスならここ、梅ならあ そこに行けば、咲き誇る景色が見られるといったような場所を、もっと増やしていきたい。時々、磯子には何もないといわれることがあり、とても悔しいので、 磯子の魅力づくりに力を入れたいと思っています。
それと、地域福祉保健計画第2期は実際に取り組みがスターとしますので、民生委員だけでなく、自治会や保健活動推進委員といった人たちをみんな巻き込んで、なるべく小さなエリアで気配りができるような地域の関係づくりを進めることが必要だと思います。
―最後に、区民へのメッセージをお願いします。
区長―磯子の特色である地域のつながりや盛んな地域活動、これを活かして地域のみなさんと一緒に、住んでよかったと思える町づくりをすすめて行きたいと思いますので、みなさんぜひよろしくお願いいたします。
「障害者の方々の想いが実現できてよかった」と区長
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