４月１日付で磯子消防署の署長に就任した 青木 哲郎さん 磯子勤務 ５８歳
予防意識育む取り組みを
○…磯子消防署の新署長として地域防災を指揮する。崖地や木密地、高齢化の進む団地や大規模な工場など「市全体の防災を考える上で、今後課題になるような最先端の状況がある街。常に学び続けなければ」と気を引き締める。初の署長職も「災害現場に出場する職員と予防活動に取り組む職員。両者の視点を大切にしながら地域防災を推進していきたい」と意気込む。
○…出張所の救助隊員として消防人生をスタート。新人時代は隊長や先輩に教わりながら、技術や判断能力を磨く。鶴見区や中区などでは査察や予防の仕事を経験。工場や大きな建物の検査、指導で地域を回る。「町の人には厳しいことを沢山言った」と苦笑い。しかし「指導した方が今では地域の防災活動に熱心に取り組んでくれている」と喜ぶ。中消防署では、救急車の正しい利用方法を伝えるため、当時救急要請が多かった地区で啓発パレードを開催。その後「『そんなことで救急車を呼んじゃだめ』と住民が注意し合う場面を見た」と嬉しそうに話す。地域に予防意識が根付く様子を肌で感じてきた。
○…藤沢市出身。子どものころは友達と遊ぶのが好きで「宿題なんて忘れていた」と照れ笑い。学生時代は工業化学を専攻し、漠然と企業への就職を検討。そんな時、父親から「勤め先に消防士が指導に来る」と、消防職員の防災に対する熱心な姿勢を聞く。父の「受けてみたら」の一言もあり、消防の道へ。振り返れば「工場火災への対応や危険物の知識など、学生時代の勉強が少しはつながっていた」と笑顔を浮かべる。
○…都内で妻と娘２人と暮らす。働く娘たちに「好きなことや得意なことを活かして仕事ができるといいよね」とにっこり。社会で奮闘する姿を温かく見守る。「磯子の街の状況を良く知って、減災につながる呼びかけを色々行っていきたい」。災害時も安心して過ごせる磯子をめざし、署長としてのスタートを切る。
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