西洋料理調理人として県内初となる「現代の名工」に選ばれた 福士 誠さん 森在住 66歳
極めたコックの道に栄誉
○…横浜中華街のジャズライブ・レストラン「ウインドジャマー」で総料理長を務めて約30年。このほど、卓越した技能者を評する最高峰の名誉「現代の名工」に選ばれた。発表直後とあって携帯電話にはひっきりなしにお祝いのメッセージが飛び込んでくる。「1回目の推薦で選ばれるとは思ってもみなかった。本当にびっくり」。すでに、来年3月には中区のホテルで祝賀会が決まっているという。
○…北海道の中央に位置する歌志内市の出身。学生時代は新聞配達で表彰されるなど「勤労少年だったんですよ」とはにかんだ。高校を卒業して郵便局に就職、異動で横浜へ。伊勢佐木町にあったバーに通うなか、バーテンダーのアルバイトも。「表に出ないコックが向いている」と料理人の道を選び、21歳でシェフ兼バーテンダーとして大船で働き始めた。その後、中区の老舗ホテルを経て、海岸通の北欧料理の名店「スカンディア」で料理の技を磨いた。16年勤め上げ、ラブコールを受けていたウインドジャマーの7代目総料理長に38歳で就任。40数余年の経験から「ソースはコックの命」と語る。
○…シェフの全国組織「全日本司厨士協会」で関東12県が属する地方本部の理事長を務める。また、食育や若手育成を担うNPO法人「横浜ガストロノミ協議会」創設に関わり、現在も市内の小学校などに出向いて子どもたちに料理の魅力を伝えている。「コック服は人気抜群」と目を細めた。休みの日は、協会や協議会の活動に精を出す。「家でのんびりすることはめったにないね」
○…6年前の横浜開港150周年では、協議会のシェフらとともにペリー提督一行に供したという御膳を最高級の食材を使い現代風に再現。「開港200年にはどんなメニューを再現するのか、天から見ようって仲間と話してんだ」と声を出して笑った。今後も「できるところまでキッチンに立ち続けたいね」と語る。
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