市営バス217系統 廃止から一転継続へ 減便が前提 焦点は運行本数に
横浜市交通局は利用者数の伸び悩みから路線廃止の手続きを進めている市営バス217系統について、現行の1日13便から平日6便、土曜3便、休日3便に減便した上で継続運行するとの案を公表した。市側の方針転換を地元住民は評価しつつも、半減以下となる便数には異論も出ており、市側は住民の意見を踏まえて近いうちに最終決定する方針だ。
217系統は港南台駅から春日野幼稚園裏の「日野中央二丁目」バス停で折り返して港南台駅に戻る循環路線。交通不便を訴える地元住民の強い要望により、平成20年4月から1日13便で運行を開始している。
市側は当初から採算ラインとなる1日平均乗客数350人を運行の条件としているが、それに満たない状況が続いたため路線廃止の方針を打ち出していた。
一方、住民側は継続運行に向けて様々なキャンペーンを実施し、350人の確保に向けて取り組みを実施してきた。特に7、8、9月は市側が指標にすると事前に通知していたこともあり、住民側も重点的に活動。その結果、7月の1日平均乗客数が371人と初めて350人を上回ったほか、8月は401人、9月は397人、10月は356人だった。
市側は1日平均乗客数が350人を超えたことで存続を決定。しかし、7、8、9月の乗客数に関しては「住民の皆さんの中には無理して乗っている方も見受けられた」とし、2月から6月までの1日平均乗客数を参考に減便することも条件とした。
市側は減便の根拠として350人を運行本数の13便で割った27人を1便あたりの基準と設定。2月から6月の各便の平均乗客数で27人を超えたのは平日5便、土曜4便、休日2便であるとし、今後は平日6便、土曜3便、休日3便の運行を提案している。また、今後も利用状況は検証し、24年度は半年に1度、25年度以降は1年に1度便数を見直し、必要があれば増便を検討するとしている。
町内会で独自案
市側は11月23日から12月4日まで住民説明会を実施。路線の中で最も港南台駅から距離があり、利用者も多い日野第三町内会(蛭川又一会長)に対して行われた11月27日の説明会では、住民から「7月から10月の結果を見ると、減便の必要はない」という声も出たが、蛭川会長は「存続となることは良かった」と述べ、「赤字でバスを走らせるわけにはいかない」と減便もやむなしとの認識を示す。一方で「バス便が半減以下となれば、バス離れが起きるのでは」と危惧し、同町内会は減便を前提に独自案を提出。独自案は2月から6月までの平日、土曜、休日それぞれの1日平均乗客数を算出し、これを市が設定する27人で割り、さらに30人以上余裕が出る便数として平日11便以上、土曜10便以上、休日8便以上の運行を提案している。
217系統を利用している60代女性は「毎日買物で利用する。本数が減れば使い勝手が悪くて困る」、60代男性は「不便だけれど、なくならなければいい」と減便に理解を示していた。
市は今後、住民説明会での意見を踏まえた上で、「なるべく早くに決定をしていきたい」と話している。
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