横浜市 空き店舗対策を強化 誘致した商店街に補助金
横浜市が商店街の空き店舗解消への支援を強化する。これまでは商店街の空き店舗で新規開業する事業者だけに補助金を出していたが、出店を誘致した商店街にも支給する。市は商店街と一体になって、空き解消に取り組む体制を作りたい、としている。
2008年度に329あった市内の商店街は、12年度時点で289に減少。空き店舗を減らし、その減少に歯止めをかけることは、市全体の課題となっている。
7月から始まる「店舗誘致助成制度」は、空き店舗解消を考える商店街の希望する業種の店が、その空きスペースで開業した場合に、市が該当商店街と開業する事業主に補助金を出す制度だ。これまで市では「商店街空き店舗活用事業」を行い、2009年度からは空いた店舗への開業者に補助金を出してきた。しかし、補助金が出た開業店舗は5年間で29店のみとその減少抑制につながりづらかった。そこで市は商店街にも助成を出すことで、商店街が意欲的に出店誘致に取り組める形にした。
希望業種の誘致も
市は商店街に希望業種を登録してもらい、その情報を市のホームページで周知するほか、空き物件を仲介する不動産業者にその情報を提供して、仲介業者を通して開業予定者の誘致を図っていく。市は7月1日から登録受付を開始する。
港南区商店街連合会の早川恭三会長は「以前の制度では市が主導で開業店舗の業種を決めていて、商店街は決められなかった」と話し、「誘致する店の業種を選べるのはお客様にとっても、商店街にとっても1番いいこと。1店でもシャッターが開くと賑わいも出る」と、この取り組みを歓迎する。一方で「継続して助成を行っていくことが重要になる」とも指摘する。
09年度に空き店舗活用事業を活用した、中区・若葉町商栄会で活動する「nitehi works」の稲吉稔さんは「開業時の資金が少ない時の助成は助かる。ただ、知り合いの事業主のほとんどがこの支援策を知らない。この取り組みを生かすには、各商店などへの周知徹底が必要では」と指摘する。
魅力づくりが必要
この取り組みを評価する一方で、空き店舗解消だけでは商店街減少の抑制につながらないのではといった声も聞かれる。
市内のこだわり商品を紹介する「ガチ!」シリーズを企画する、横浜市商店街総連合会の加藤剛さんは「空き店舗がなくなることは商店街にプラスとなると思うが、その魅力を高める取り組みをしていかないと集客にはつながらないのでは」と話す。
市は「この取り組みのほか、活性化を目的としたイベントや商店間のアーケードを作るための助成など、様々な形で商店街支援を行っていきたい」としている。
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