5月31日に「講演と音楽の集い」を港南公会堂で開催する 船木久生(ひさお)さん 芹が谷在住 82歳
燦々と輝く生涯現役の道
○…「世のため、人のためになることをしたい」と自ら立ち上げた地域活動団体「燦輝会(さんきかい)」。同団体が主催する講演と音楽の集いを5月31日に控える。今回で3回目となるが、「対象は老若男女問わないが、できればシルバー世代が家にこもらず、外に出るきっかけになれば」と思いを語る。
○…旧満州国遼陽(りょうよう)に生まれ、瀋陽(しんよう)で育つ。終戦は疎開先の平壌で迎えた。家にあったものを売りさばき、食費の足しにするなど、貧しかった戦後の混乱期を振り返る。横須賀に居を移してからは仕事をしながら高校に通い、学費を稼いだ後に日本大学へ進学。卒業後はサラリーマンとして働きながら、46歳の時に港南区から市会議員選挙へ立候補。惜しくも落選するが、その後は芹が谷中学校の保護者会(現PTA)の会長を皮切りに、芹が谷団地自治会の会長を長く務めたほか、下永谷地区と芹が谷地区の社会福祉協議会で会長を歴任。「自分が役に立てるなら」と多分野で活動を続けてきた。根本にあるのは貧乏だった満州での生活。助け合いの気持ちや社会奉仕への思いは人一倍強い。
○…詐欺や殺人など、恐ろしい犯罪の多発に心を痛める。道徳を重んじ、「日本の社会を良くしたい」と2014年には行動規範を記した「修養いろはカルタ」を制作したことも。大切にしている言葉は「忠恕(ちゅうじょ)」。自分の良心に忠実であり続ける事と他人に対する思いやりが深い事という意味だ。
○…今までにいくつか大きな病気もし、網膜剥離で右目の視力も失った。それでも、結婚して今年55年を迎える妻と社交ダンスに通い、タンゴやクラシックのコンサートにも足を運ぶなど意気軒昂の日々だ。もしかしたら、と前置きして「大きなイベントはそろそろ難しいかもしれない」と打ち明けながら、「小さなイベントの計画は頭にあるんだ」。健康長寿の社会を目指し、燦々と輝く会にしたいと名づけた燦輝会の名の通り、生涯現役で走り続ける。
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