福祉保健研修交流センター「ウィリング横浜」内にある宿泊施設とスポーツ施設が2012年9月末の廃止以来、活用する事業者がなく閉鎖されたままの状態になっている。所有する横浜市は年額3800万円の共益費等を負担し続けており、「税金の無駄」と批判を浴びそうだ。
ウィリング横浜は福祉保健活動従事者のための研修や交流、福利厚生を目的に設置された複合施設。施設内でもニーズの高かった研修室やレストランは存続する一方、17室を備えた宿泊施設と、体育館やスポーツジム、スパ、サウナなどのスポーツ施設は利用者数の減少等を理由に12年9月末で廃止されている。
事業予定者が辞退
市は廃止後の両施設について、民間事業者との対話を通じて市場性の有無などを把握する「サウンディング型市場調査」を実施した上で民間の活用が見込めると判断し、13年5月に両施設それぞれで貸付公募に踏み切った。
宿泊施設部分ではエステティックサロンなどを経営するスカイゲイト(株)1社から応募があったものの、スポーツ施設部分は応募がなく、同年10月に行われた再公募でも応募はゼロ。その状況から宿泊施設部分の事業予定者に決まっていたスカイゲイトも14年2月に応募を辞退し、現在に至るまで両施設とも閉鎖された状態が続いている。
共益費月約290万
活用はされていなくても毎月の共益費は発生している。公募時の条件では両施設合わせて月額で287万6000円。毎年金額が変動する可能性はあるものの、大幅に変わることはなく、毎月約290万円を支払い続けていることになる。市健康福祉局地域支援課によると、共益費に加えて光熱水費も含め、年間で約3800万円を市が負担しているという。今年9月末で廃止から3年が経過し、市負担額は累計で約1億1400万円になる計算だ。
「早急な稼働を検討」
この状況に対し、同課は「休止したままでいいわけではない。なるべく早急に稼働させることを検討している」とし、民間利用、庁内利用の両方の観点から活用法を考えていると話す。しかし、公募時の応募が低調だった原因の1つに、共益費が高額で採算が合わないといった意見も寄せられており、現状では民間利用のハードルは高い。
一方、市としても既存の施設・設備にこだわらない考えで、改修して別施設に転用することも含めて幅広く検討している。同課は「なるべく費用がかからない方法を検討している」と話しているが、転用する場合は改修費が高額になる可能性もある。両施設の活用策は依然として不透明だ。
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