今年に入っても振り込め詐欺の被害が県内で相次ぐなか、このほど神奈川県タクシー協会が被害防止に乗り出した。ステッカーや声がけなどで乗客への注意喚起を図ろうというもので、先月30日には港南区丸山台のタクシー会社・湘南交通株式会社で出発式が行われた。
振り込め詐欺の犯人は公共交通機関を使って被害者宅に向かうことが多い――。そんなところに目をつけ、このほど県内1万台のタクシーに実際の犯行に用いられる手口などを列記した注意喚起ステッカーを貼付した。(一社)神奈川県タクシー協会が神奈川県警察と連携する形で実現したもので、両者は一昨年に神奈川県、県個人タクシー協会との4者による地域安全協定を締結し、その協定に基づくものだという。
実際に県内相模原市では、日頃からタクシーを利用する常連客宅へ挙動の不審な若者が向かおうとしたことに運転手が違和感を覚え、被害を防いだケースもあるという。乗車の際に運転手から話しかけられることを好まない人も少なくないが、湘南交通(株)の常務取締役・幾井武彦さんは「あまりにもお客様が慌てているような場合、運転手が少し声がけすることも大切なお客様を守る上で必要なケースもある」と話す。
昨年を超すペース
県内の振り込め詐欺被害は昨年、過去最多で最悪の約2400件、約53億円にのぼる。さらに今年はそれを上回るペースで被害が発生しており、3月末までで約11億円、600件に迫る勢いだという。県警本部の担当者は「犯罪全体は年々減少している中で唯一増加しているのが振り込め詐欺。何とかして食い止めたい」と話している。
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