上大岡駅東口で創業約40年の日本料理店「懐石花里」が今月19日に閉店する。新型コロナの影響により毎月の固定費が重くのしかかったことが決定打となった。庭園に思い入れのある常連客も多く、閉店を前に別れを惜しんで訪れる人が多いという。
同店は上大岡エリアでは珍しく庭園を備えた本格的な日本料理店で、結納や家族でのお祝い事、企業・団体の宴席などで親しまれてきた。
今年2月以降、新型コロナウイルスの影響で外食産業が軒並み打撃を受ける中、同店も予約のキャンセルが続くなど厳しい状況が続いた。テイクアウトにも対応し、新たな試みにも挑戦し始めた矢先だったが、ホームページ上で6月13日に閉店を発表した。
同店を運営する(株)ながつくるの実・専務取締役の伊澤利晃さんは「固定費の削減が難しくなり、コロナ収束の見通しが立たない状況が決定打となった形。以前の売上には当分戻らないと判断した」と明かす。
「庭を守れず悔しい」
同店は元々、利晃さんの祖父・末吉さんが戦後に建てた住まいだった。その後、利晃さんの父・信高さんが1978年に「お食事の家 花里」として同所で飲食店を営み始め、30年ほど前に増改築して現在の形となった。
結婚前の両家の顔合わせなどにも多く利用され、利用客からは「この辺りでは貴重なお店。ちゃんとした席を設けようと思うと、やはり花里さんが思い浮かぶので残念」との声も聞かれた。
利晃さんは「祖父の代から続いてきた思い入れのあるこの庭園を守れないのには悔しい思いがある」と思いを語る。閉店後の花里の建物と庭園については未定という。
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