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港南区・栄区 人物風土記

公開日:2021.08.05

今年5月から笠間連合町内会自治会の会長を務める
指田 弘さん
栄区笠間在住 75歳

「従来の当たり前」から脱却

 ○…各地区の自治会町内会を束ねる「連合町内会自治会」。副会長経験者が会長を務めることが多い中、監事から抜擢されて笠間連合の会長に就任した。「任されたからにはしっかりやらなきゃつまらないでしょう」。地域における目下の懸念は、通学路など交通の危険個所だという。「事故が起きないと事が進まない。それじゃだめだって」。積極的に従来の当たり前を見直している。

 ○…約1500世帯が暮らす大船駅近くのマンション「ガーデンアソシエ」の自治会でも会長を務める。ゴルフ仲間とのつながりで初代会長になり、管理組合理事長を経て5年前に再び会長に就いた。住民が多いため、エレベーターごとにブロック長を置いて月一回情報交換をする仕組みや、手作りの秋まつり、クリスマス会といったイベントなど、13年前の当初に整えたものが今なお住民をつないでいる。

 ○…南区中村町で生まれ育ち、大学卒業後は大手電機メーカーに入社して営業職を勤めあげた。会社員時代で思い出深いのは、部下との連日の飲み会だ。酔った部下や後輩の本音に耳を傾け、ユーモア交じりに仕事論を説いてきた。「仲間がいるからできることがある」。育まれた信頼関係は仕事においてもチームとしての結束力を生んでいった。

 ○…「近所づきあいしたくないからマンション、という人もいる。だけど同じ屋根の下で暮らしているのだからね」。防犯や防災の観点からも、あいさつや支え合いが大事だと指摘する。一方で、自治会活動がイベント一辺倒になるのも違う。「イベントは顔の見える関係の街にするための手段。あくまで目的は安全や安心なのでは」。街や住民に真に必要なことを考え、仲間とともに課題に向き合っていく。

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