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公開日:2023.05.11

港南区内NPO法人
引きこもる若者を支援
新講座で自立の一助に

  • 農作業体験の様子=同法人提供

 精神障害者などの自立支援に取り組む港南区笹下の認定NPO法人「横浜メンタルサービスネットワーク」が4月から、市内在住で不登校や引きこもりがちな若者に向けた新たな講座「キャリアデザインスクールよこはま」を開講している。取り組みは横浜市の「よこはま型若者自立塾事業」の一環で、市内在住の15歳〜39歳までの人が対象となる。

 横浜メンタルサービスネットワークは2001年、精神障害者などの就労支援を目的に設立。公的な援助を受けられず、医療や福祉、教育の制度のはざまにいる人たちへ支援を行ってきた。

 スクールでは長期にわたって不登校やひきこもり状態にあった若者の自立に取り組む。コミュニケーション能力や対応力などを養い自身の将来について考える講座で、自己肯定感向上や生活リズムの立て直しを目指す。

 講座は主に上大岡西の「ウィリング横浜」で行われ、6カ月間決まった時間に通い生活リズムの維持改善を図る「スタンダードコース」(月1万円)と、任意のプログラムに1日から参加可能な「フレキシブルコース」(1回700円)の2つから選択できる。

 内容には農作業、ハイキング、森林セラピー、職場体験といった実践的なもののほか、ビジネスマナー研修や資格講座などの座学も盛り込む。同法人理事の鈴木弘美さんはスクールについて「いろいろなことを体験し、自分ができることを増やしていってほしい。きっと自信につながるはず」と笑顔で話した。

子どもへの包括的ケアも

 駄菓子屋カフェの開設など、地域の子どもに向けた包括的支援に取り組む同法人。子どもに目を向ける契機となったのは支援対象者らが学生時代、不登校だった傾向にあることが判明したためだ。鈴木さんは「修学旅行など楽しいはずのイベントも、行かない選択をした人が多かった」と、若年層に向けた取り組みの必要性を感じ始めた。

 13年、不登校の中高生に向けた放課後活動「Irodori」を開始。スポーツなどを通じた居場所づくりに取り組んできた。「中高生には学童保育がない。同年代と話が合わずなじめない、という子どもたちに、相談できる場所をつくりたかった」と鈴木さんは語る。利用者からは「中学は不登校だったが高校に通えるようになった」「こういう場がもっとあれば」といった声が聞かれるという。

 翌々年の15年には、県との協働事業「かながわプレジョブスクール」を開講し若者の就労支援に携わってきたほか、20年から「駄菓子屋カフェIrodori」を開設。同法人事務所で駄菓子やパンの販売、カフェの営業を行っており、毎週4日間で延べ60人以上が利用している。カフェはプレジョブスクール生の実習の場でもあり、掃除、在庫や売上の管理などの運営に生徒が参加する。

 スクールや法人の取り組みについての問い合わせは認定NPO法人横浜メンタルサービスネットワーク【電話】045・841・2179へ。

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