港南消防署は小学校の夏休みが明けるのに合わせ、区が進める子ども見守り活動「港南ひまわり83(ハチサン)運動」への協力を本格的にスタートさせた。午後3時頃に消防車や救急車から子どもたちに向けうちわを振り、下校時の安全を見守る。
「港南ひまわり83運動」は小学生が登下校する午前8時頃と午後3時頃に散歩や買い物に出かけることで、同時に子どもの安全を見守る運動。これまで、港南警察署が時間に合わせ交番の前に立つなどの協力をする一方、消防署は組織として公式な活動は行っていなかった。
しかし、今年5月に区役所、警察署、消防署の間で行われた「港南区3機関意見交換会」にて、同運動についても意見が交わされると、山口治彦消防署長が「協力を検討する」とコメント。その後、6月下旬から7月初旬まで同運動を短期間行い、夏休みが明けた9月から本格的な協力開始となった。ただ、午前8時は夜勤担当者と日勤担当者の交代時間と重なり、引継ぎ業務を行う必要があるため、午後3時のみ、可能な範囲での見守りとなる。
山口署長は「今年4月に港南消防署に着任して初めて知ったが、素晴らしい運動だと思う。子どもはみんなで見守るもの。また子どもを守ることは消防の本務であり、大人として担い手を育てることも大切」と協力開始に至った理由を話している。
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また、同署は協力開始に合わせ、港南火災予防協会と協力して子どもたちに振るためのうちわを作成した。片面に「83運動実施中」の文字と同運動マスコットキャラクターの「83太郎」、反対側に「地域に広げよう防火防災の輪」と市消防局マスコットキャラクターのハマ君があしらわれたデザイン。キャラクターを使い、注目を集めやすいものになっている。子どもはもともと消防車や救急車によく手を振るというが、うちわを振り返すことで、より安全啓発につなげる考えだ。
注目集める赤い車両
早速、9月3日に南台小学校付近で行われた運動では、消防車に乗った署員が下校中の児童に「こんにちは」と声をかけると、児童も「こんにちは」と返答。子どもたちが興味深げに消防車を眺めることに加え、うちわを振ることでさらに関心を引き、署員の「気を付けてね」という言葉にも耳を傾けている様子だった。
消防車、救急車など計10台にうちわを搭載。消防署担当者は「形骸化しないようにやっていきたい」と話している。
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