今年度末で終了予定
地震などで倒壊する恐れのあるブロック塀の撤去や軽量なフェンスの設置などにかかる費用の一部を助成する横浜市の事業が低調だ。昨年度末までに補助制度を活用し改修された件数は466件。予算ベースでみると補助交付額は17・1%に留まっている。補助制度は今年度末で終了する予定だが、期間を延長し改善を促進する方向で検討が進められている。
2018年の大阪北部地震で倒壊したブロック塀の下敷きとなり女児が死亡したことを受け、市は同年10月からブロック塀の撤去や軽量フェンスへの改修にかかる費用の一部(上限30万円)を補助する事業を開始した。
市建築局によると事業開始から昨年度末までに計3億8千万円の予算を計上したが、この期間中に補助制度を活用し改修されたのは466件(18年度199件・19年度123件・20年度144件)、補助金交付額総計は約6500万円で、「低調」と言わざるを得ない状況だ。
首都圏で最大震度5強を観測した10月7日夜の地震では震度5弱を記録した鶴見区内でブロック塀が倒壊。負傷者などはなかったが市内には建築基準法に適合していないブロック塀が約1600カ所(9月末現在)あるとされ、改修促進は急務の課題と言える。
補助額見直しも
対象となるのは道路などに面する個人が所有する高さ1m以上のブロック塀や石積塀。補助を受けるには事前の調査が必要で完了報告まで4カ月ほど要するという。
事業期間は今年度末までだが、補助を受けるためには10月末までに事前相談を済ませる必要がある。そのため9月中に周知強化を図った結果、一定数の相談が寄せられ、市は「需要がある」と判断。事前相談時に実施してきたアンケートなどから、補助額など制度設計の改善を図り来年度以降も補助制度を延長する方針で検討を進めている。
建築局担当者は「まちの中からできる限り『危険』を取り除いていきたい。補助制度の申請受付期間を延長する方向で検討を進めているので、活用してもらえるよう周知を徹底していきたい」と話している。
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