加賀町警察署=中区山下町=は11月8日、30年前に殉職した故・熊谷直樹巡査部長(当時40歳、2階級特進で警部)の慰霊式を同署講堂で行った。
慰霊式は熊谷さんの冥福を祈り、殉職事件の絶無を図るために毎年行っている。当日は署長以下で指定された約45人の職員が集い、死を悼んだ。
事件が起きたのは1993年11月5日の午後8時29分ごろ。同署で当直勤務中だったという熊谷さんは「山下町75番地で放火事件が発生、犯人が逃走中」の通報を受け、同僚と共に現場に急行。消火器を持ち暴れている犯人を発見した。複数人で制圧逮捕に踏みきるも、背中側を押さえつけていた熊谷さんの左胸部を、犯人の隠し持っていた飛び出しナイフが振り向きざまに一突き。熊谷さんは渾身の力を振り絞って逃走する犯人を追跡するも、力尽き倒れ、運びこまれた横浜市大救急救命センターで命を落とした。犯人はその後、中華街の店舗にいた女性を人質にしていたが、警察の説得に応じ、約1時間後に逮捕された。
当日は当時現場にいた警察官で、現在戸塚警察署の長尾博文巡査部長(55)が当時の様子を詳細に話し、「最後まで犯人を捕まえようとして命を落とした方がいるということを、加賀町署の皆さんには覚えておいて欲しい」と集まった署員に呼び掛けた。
そのほか同署の阪西徹副署長が追悼の辞を述べた後、同署の森田仁志署長と長尾巡査部長が代表して焼香をあげ、慰霊式は締めくられた。
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