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公開日:2026.01.01

南区ダンススタジオ
「分けない社会」で県大賞
障害者と子どものチーム

  • 障害者とキッズダンサーによる「FUNSTAR」

 南区永田台のダンススタジオ「FUNBURGER(ファンバーガー)」が取り組む知的障害者らとキッズダンサーによるダンスチームの活動がこのほど、神奈川県の「かながわこども・子育て支援大賞」で最優秀の大賞を受賞した。世代や障害を「分けない社会」を目指してダンスチーム「FUNSTAR(ファンスター)」を結成し、その様子を積極的に発信してきたことが評価された。

 同支援大賞は、県が子ども・子育て支援活動のモデルとなるものを表彰しており、19回目。個人や団体、事業者から41件の応募があり、審査会の選考で賞が決まった。

 FUNBURGERはキッズダンス教室として小中学生らが通う。2019年1月、睦地域ケアプラザなどの公共施設が障害の有無に関わらず、誰もが楽しく踊れる場を作る連携事業を企画。施設側から依頼を受けて、同スタジオのキッズダンサーと知的障害者らが一緒に踊りを楽しんだ。FUNBURGER代表の永窪亜希子さんは「以前から障害者の支援をしたいと考えており、一緒に踊れる場を求めていたところに話が来た」と振り返る。

心通わせダンスで成長「障害への関心を持って」

 この企画が好評で、同年6月から月2回の中学生以上の障害者向けのダンスレッスンがスタートし、キッズダンサーも指導役として参加。当初は複雑な動きを伴う踊りは難しいという外野の声もあったが、永窪さんは「集中力があり、家でダンス動画を見てくれるなどして踊れるようになった」という。障害者との接し方を迷っていたキッズダンサーも次第に「自分たちが守らなくては」という意識が芽生えるようになり、日頃のレッスンでも「人を思いやる気持ちが強くなった」と永窪さんも驚くほどの変化があった。

 ダンスチームは「誰もが輝ける」との思いから「FUNSTAR」と名付けられ、ダンスイベントやスポーツの試合の合間に出演する機会が増えた。レッスンやイベント出演の様子はSNSで積極的に発信し、それを見てチームに参加したいという依頼も多い。毎年10月には障害への理解を深めるためのダンスイベントを企画するなど、活動の幅も広がっている。

 ダウン症の簑輪春花さん(20)は19年からFUNSTARに参加。母の純子さんは「キッズダンサーやほかの障害者と関わり、娘は刺激を受けている。ダンスを始めて自分から行動することが多くなった」という。

 現在も約30人が月2回のレッスンを受ける。永窪さんは「障害への関心の低さや障害の有無で分けることから始める社会を変えたい」と力を込めて語る。障害者と一緒に踊るキッズダンサーの精神的な成長を実感しつつ、「この子たちが成人して、『分けない社会』が当たり前になってほしい」と願っている。

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