日蓮宗樹源寺 副住職 日比宣仁 連載14 法話箋 〜鹿苑〜 「三界は火宅の如し」
「三界(さんがい)は安(やす)きことなし。猶(な)お火宅(かたく)の如(ごと)く、衆(もろもろ)の苦が充満す。甚(はなは)だ怖畏(ふい)す可(べ)し。」
(『法華経(ほけきょう)』譬喩品(ひゆほん))
三界(さんがい)とは私たちの住む世間のことです。それを踏まえれば、次のような訳になります。「この世間は容易に生きられる環境ではない。その環境とは、燃え盛る火に包まれている家の中のようであり、諸々の苦しみが充満している。これは、恐れるべきことである。」
世間には、お金・健康・人間関係などのさまざまな問題が充満しています。私たちは、それらの問題にいつ巻き込まれてもおかしくないのです。その状況は、恐ろしいことです。しかし、大半の人がそのような問題に巻き込まれてから、本当の恐ろしさを実感します。そうなる前からそれらの恐ろしさを知るべきなのでしょう。そのためには、常に謙虚な心を持(たも)ち、問題に巻き込まれていない現状を把握し、平和な日常に感謝をすべきでしょう。普段からのそのような心がけが、息災(そくさい)につながるのです。
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