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公開日:2023.01.01
川島町の主婦 山口遥さん
夢の五輪出場へ挑む
今秋のマラソンMGC
実業団チームに所属しない市民ランナーがこの秋、一世一代の大勝負に挑む――。川島町に暮らす主婦・山口遥さん(35)が2024年のパリ五輪出場権を掛けたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC・10月15日開催)に出場する。この大会の上位者が日の丸を背負いパリ路を走ることになる。
昨年8月末に行われた「北海道マラソン」を制しMGC出場権を獲得した。30Km手前で先頭に立つと、そのまま後続を引き離し、2時間29分52秒でゴール。市民ランナーとしては初となるMGC出場権を手中に収めた。
幼少期「走ることが好きだった」という少女は西谷中学校に入学し陸上部の門を叩いた。長距離を専門とし県大会で入賞するほどの選手に成長。県内有数の陸上強豪校に進学し、大学でも競技を継続したが、目立った成績は残せなかった。
「楽しみながらも、本気で競技と向き合いたい」と、大学卒業後もクラブチームに所属し市民ランナーとして第一線で競技者として生活を続けてきた。
最強市民ランナー
フルマラソンに初めて挑戦したのが23歳の時。この時のゴールタイムは3時間0分13秒だった。その9年後、32歳の時に出場した大阪国際女子マラソンで日本人2位となる2時間26分35秒でゴールテープを切り自己最高タイムを更新。この頃から「最強市民ランナー」と呼ばれるようになった。
東京パラで初の日の丸
一昨年の夏には東京2020パラリンピック競技大会陸上女子マラソンに選手を伴走するガイドランナーとして出場。日本選手団最年長となる当時66歳の西島美保子さんをサポートした。
この時、初めて日本代表のユニフォームを着てレースを走り、一競技者として刺激を受けた。「自分も日の丸を付けて」―。最強市民ランナーの胸に火が灯った瞬間だった。
人生を賭けて
「せっかく権利を得たので貪欲にパリを目指したい。五輪出場権を手にするために、できることは全てする」。そう言い切る。「市民ランナーとして走ってきた私にはまだ伸び代があると信じている。人生を賭けたレース」。MGCは一世一代の大勝負だ。
壮大な夢 胸に
五輪出場権獲得ともうひとつ思い描く夢がある。「パラリンピックのガイドランナーも務めたい」。最強市民ランナーは24年の夏、パリ路を2度走るという壮大な夢を追う。
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