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神奈川区

公開日:2014.01.23

連載寄稿
イルカ博士の生命感動日記
【18】赤ちゃんの気持ちを読みとろう

  笑門来福、今年も身近な事例を紹介して「生きる力」をつける術などをみなさんと一緒に考えてみたいと思っています。

 私の生後3カ月の孫は、周囲の環境から五感が反応して脳の神経を通して認知し、感情を出して表現しています。その過程を経て見分ける力(共感能力)をつけさせることが大切です。

 動物行動学では、周囲の微妙な状態や気持ちを言葉ではなく動作やしぐさで表現し、自分を落ち着かせ穏やかな状況にしようとする動きを「カーミングシグナル」といいます。たとえば、飼い主の夫婦がケンカを始め異様な雰囲気になったとき、犬がしきりにアクビを始めることがあります。犬にとって、自分の飼い主や家族の絆が壊れることは嫌で、大きなストレスになるので、それを避けて和らげようとしているのです。

 姿勢を低くしたり飼い主にお腹を見せたりして従うのも、カーミングシグナルの一種とも言えます。他にも、遊びたい時のしぐさは、脚や頭を低くして見せたりするので、観察するとその違いがよくわかります。

 言葉によるコミュニケーションがすぐにはとれない赤ちゃんも、さまざまな表情や動作を通して的確かつ素直に自分の気持ちを表現しています。「ある対象物に向かって警戒している」「何だろうと好奇心をもって見る」…それぞれの感覚器官が変化します。赤ちゃんに限らず、子どもの動作の一つひとつがどのような気持ちをもって表現しているのか、少しずつでも読み取れるようになってくると、赤ちゃんとの「奮闘育児」も生物的な見方で楽しい時間になっていくでしょう。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一

(問)【メール】iwashige@gmail.com】

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