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連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 【19】赤ちゃんの不快感とは

掲載号:2014年2月27日号

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 快楽と不快感は正反対の感覚のように思えますが、実は、生物学的にも紙一重の違いでしかないようです。

 2012年のサイエンス誌で、エルサレムのヘブライ大学・アビーザー博士らが、次のような実験をしました。顔の写真を見て、音楽に陶酔しているのか、試合に負けて、悔しがっているのか、痛みに苦悶しているのかを言い当ててもらうと、快と不快は極限状態では同じ表情になるので、まったく区別できなかったと報告しています。

 赤ちゃんはオシッコをしたときによく泣きます。これを大人たちは「おむつを替えてほしい、ベッドで寝かせてほしい」という要求だと勘違いしがちです。赤ちゃんにはそんな高度な要求はできません。単に不快(気持ちが悪い)だから泣いているのです。オシッコをするタイミングと泣き声をあげるタイミングを測定すると、泣くのはオシッコをする直前か、しはじめたときです。つまり、濡れたオムツが気持ち悪いから泣いているのではなく、尿意そのものが不快なのです。

 眠いときも同じです。赤ちゃんが就寝前にグズルのは、睡魔が不快だからです。大人にはこの不快感は理解しがたいでしょう。なぜならば、私たちは経験的にオシッコをすればスッキリし、睡魔がきたら心地よく眠りに落ちることを脳が認知しているからです。つまり、生得性的には不快である生理的感覚を、後天的な習得性によって解放感の前ぶれとして脳が読み替えて、官能的快感として味わっているわけです。赤ちゃんをよーく観察してみてください。

 次回は、痛みについてご紹介しましょう。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一

(問)【メール】iwashige@gmail.com】

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