神奈川区版 掲載号:2017年2月16日号 エリアトップへ

連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 ㊾優しさ力(他者への思いやり)

掲載号:2017年2月16日号

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 1月20日、フロリダ州南西部エバーグレーズ国立公園のホッグ・キー海岸に82頭のオキゴンドウ(歯クジラの仲間)が座礁し大量死しました。これまでも、鹿児島県種子島、宮崎県日南海岸、茨城県の海岸など浅い砂浜などでイルカ群が集団で乗り上げる集団座礁が起きています。

 溺れるイルカを付近にいた人や漁師たちが救助して沖へ放してやったけれども、多くのイルカは再び溺れて苦しむ仲間のもとへ泳ぎ、逃げようとせず助けようとしますが、とうとう全部死んでしまいました。

 このようにイルカが集団で自殺行為をするのはなぜでしょうか。耳に寄生虫があり方向感覚を失うためとか、超音波を出す機能が遠浅の砂州では反応しないとか、いろいろな説がありますが明確なことはまだよくわかりません。

 常日頃からイルカたちは仲間意識が強くチームワークで餌をとり、サメに襲われそうな仲間の危急を見殺しにはしないといった「自分の利益を犠牲にして他者に利益をもたらすような行動」が本能にも似た相互扶助の習性としてあるのかもしれません。

 人間の社会でも海水浴中の学童たちが潮に流されて溺れかかったときに、見つけた人が助けに行き自ら溺れて亡くなってしまったという事故がよく報道されます。そこには、状況判断とか危険防止等の理性的働き依然の本能的な頭脳が働き、「助けなければならない」という心の動作があるような気がしてなりません。その心のレベルはイルカと人間とでどれくらいの差があるのでしょうか。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一(問)iwashige@gmail.com】
 

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