宮前区 人物風土記
公開日:2025.05.09
宮前警察署長として地域を守る
永田 高訓さん
神木本町在住 53歳
心構えは見逃しより空振り
○…川崎は警察官として第一歩を踏み出した思い出の地だ。川崎駅前の交番に勤務し、「自分に務まるだろうか」と不安を感じながらスタートを切った約30年前。時は流れ、この4月から宮前署で初めて署長を務めることになった。「川崎市で署長となることは、何か縁を感じる」と感慨深げに語り、「区民の安心・安全を守りたい。その責務を果たしていきたい」と、志は今も昔も変わらない。
○…進路を決める高校生や大学生の頃に、警察官という職業に興味を持った。「地域や人のために力になれる仕事がしたい」と決意。警察組織の縁の下の力持ちと言われる警務・総務、人々の近くで平穏な暮らしを守る生活安全などの部署を歩んできた。「見逃し三振ではなく、空振り三振」というのが心構えのひとつだ。積極的にチャレンジすれば、期待する結果は必ずついてくると信じる。
○…警察官として転機となった出来事がある。相模原警察署に努めていた頃、当直中に少年による恐喝事件が発生した。経験が浅かったため、同じ当直だった先輩の支援を受けたのだが、その先輩の働きぶりに驚いた。「無駄が無く的確な判断力でテキパキと仕事をこなしていく。自分もそうなりたい」。当時の記憶は心の片隅にいつも意識している。署長となり署員には、「時の大切さ」を伝えている。「特に若い署員には、時間は有限であること、仕事でもプライベートでも有効に使ってほしい」
○…忙しい毎日を送る中、休日は、地域を知る上でも区内を散策している。「坂道が多くて、しかも勾配が急で驚いている」というのが第一印象。「皆さんがお勧めするおいしい料理店や甘味処などもめぐってみたい」と表情を緩めた。
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