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宮前区 社会

公開日:2026.01.30

安全は「心のゆとり」と「疑う勇気」
交通事故や詐欺被害に遭わないために

  • インタビューに答える永田署長

    インタビューに答える永田署長

  • 東名インター前の交通安全活動

    東名インター前の交通安全活動

  • 特殊詐欺防止の手作りのチラシ

    特殊詐欺防止の手作りのチラシ

宮前一丸で対策を

 交通事故や特殊詐欺被害に遭わないためにはどうすればいいのか。タウンニュース宮前区版では、交通安全・防犯特集を企画し、宮前警察署の永田高訓署長に、交通事故の発生状況や特殊詐欺の手口、事故や犯罪から身を守る術や新しい取り組みについて話を聞いた。

事故の半数は身近な場所で

 昨年の宮前区内のケガを伴う人身交通事故件数は472件(前年比83件増)だった。発生件数は、令和に入ってからコロナ禍の影響もあり減少傾向にあったが、昨年は一転して増加。負傷者数についても531人(同112人増)と増加した。一方で死亡者数は3人(同3人減)と減少している。

 宮前区における人身事故の特徴は、一般市道での発生が242件(同70件増)と目立つ点だ。事故の約半数が生活道路で起きており、身近な場所での危険が浮き彫りとなっている。形態別で多いのは交差点内の事故だ。出合い頭の事故が76件(同33件増)、右折車と直進車の事故が46件(同7件増)と、交差点関連が全体の約4分の1を占めている。

 永田署長は「生活道路は高齢者や児童などの歩行者も通行している。スピードの出しすぎには注意してほしい。また、見通しの悪い交差点では一時停止と左右前方確認、どちらが優先道路なのかという基本を守ってもらえれば事故は減少するはず」と注意を呼びかける。

 追突事故は前年より減少したものの、依然として83件と多い。前の車に続いて停止中、助手席に置いた荷物が落ちそうになり、体をひねった拍子にブレーキが緩んで進んでしまうといった「不注意」が原因の事故も多いという。

 また、昨年は自転車事故が129件(同41件増)と急増した。坂道の多い宮前区だが、電動アシスト自転車の普及なども事故増加の一因とみられる。永田署長は「電動アシスト自転車は、下り坂や平地ではスピードが出やすいので気を付けてほしい。自転車は軽車両であり、道路交通法が適用される乗り物。交通ルールやマナーの順守も啓発していきたい」と話す。

 事故防止について、永田署長は「言葉にするのは容易いが」と前置きした上で、「運転者も歩行者も、時間と心にゆとりを持つことが大切。余裕を持てば確認もできるので事故は減少する」といい、「『お互い様』『譲り合い』という気持ちを大切に、相手が止まってくれるだろうという思い込みではなく、他者からの視点を意識した行動をとってほしい」と呼びかけた。

特殊詐欺被害は4億3千万以上

 昨年の宮前区内での特殊詐欺被害(暫定値)は93件(前年比39件増)、被害総額は約4億3300万円(同約3億2200万円増)に上り、大幅な増加を記録した。これは県下、さらには全国的な傾向でもある。

 手口としては、警察官をかたって言葉巧みに接触してくる「ニセ警察詐欺」が急増中だ。自宅の固定電話や携帯電話あてに、警察官を名乗り、「口座が犯罪に使われている」などといって、SNS等のビデオ通話に誘導。さまざまな理由をつけて現金をだまし取る。偽の警察手帳や逮捕状を見せてくるケースもあるという。永田署長は「警察官がSNS等のビデオ通話で逮捕状を示すことは一切ない。逆にそんな人物は詐欺の犯人です。すぐに最寄りの警察署へ連絡してほしい」。

 さらに、SNS型投資・ロマンス詐欺も猛威を振るっている。昨年は57件、被害額は約8億3600万円に達した。SNS型投資詐欺は、投資への関心を利用して投資アプリ等に誘導し、利益が出ているかのような偽の表示で架空投資を継続させる手口だ。SNS型ロマンス詐欺は、恋愛感情や親近感を抱かせながら投資に誘導したり、交際の継続等を名目に金銭をだまし取ったりする。

 永田署長は「一度も会ったことがない人物からの金銭や投資の話は詐欺だ」と断言する。「一度立ち止まって、家族や警察など、信頼できる相手に相談してほしい。やり取りの中で『絶対儲かる』『今すぐに』という言葉が出れば、詐欺と断定していい」と強調する。また、詐欺電話は国際電話を利用したものが多いため、「電話番号の頭に『+』が表示された場合は、電話に出ないでほしい」と呼びかけている。

 同署では、高齢者世帯に対し、留守番電話設定や迷惑電話防止機能付き電話機の導入を推奨している。また、行政や民間、町内会などと連携した周知活動をさらに進める意向だ。永田署長は「被害に遭う前に『おかしい』と気づいてもらえる土壌を作りたい。特殊詐欺の手口は瞬く間に変化するが、それに負けぬよう検挙と防犯の両面で対策を進めていく」と決意を語った。

ストーカー規制法が改正 紛失防止タグの悪用禁止

 ストーカー規制法が改正され、スマートフォンなどで位置を特定できる「紛失防止タグ」を、承諾なく他人の所持品に取り付ける行為が規制対象となる。

 これまで全地球測位システム(GPS)機器の悪用は規制されてきたが、タグは対象外だった。紛失防止タグの悪用は、警告・禁止命令等の対象となり、違反を繰り返した場合は検挙される可能性がある。

 タグは落とし物の発見などを目的として、所持品に取り付ける電子機器。近距離無線通信「ブルートゥース」の信号を発信しており、周辺にあるスマホが信号を検知し位置情報を取得する。普及に伴い、ストーカー目的で悪用される被害が増加している。

2026年道路交通法改正 交通ルールの変更に注意

 2026年、道路交通法が段階的に改正され、市民生活に関わるルールが大きく変わる。4月からは自転車の交通違反に「青切符」が導入され、信号無視等に反則金が科されるほか、普通・準中型車の仮免許取得年齢が17歳6カ月に引き下げられる。

 5月23日までには、自動車が自転車の右側を通過する際の規定を新設。十分な間隔がない場合、車側は安全な速度での進行が、自転車側は左端に寄り通行が義務付けられる。

 さらに9月からは、センターラインのない幅員5・5m未満の「生活道路」において、法定速度が時速30Kmに制限される。これまでは時速60Kmだった区間も対象となるため、住宅街での運転には注意が必要となる。改正を前に、改めて交通ルールの再確認が求められている。

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