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多摩区・麻生区 経済

公開日:2023.07.28

「戦争、風化させない」
区遺族会がパネル展

  • パネルを見つめる来場者

 多摩区遺族会(大津昭己会長)は7月10日から14日までの5日間、区役所1階で戦争の悲惨さを伝えるパネル展示を行った。同会によると、5日間で約550人がパネル展を閲覧したという。

 パネル展は、同会の創立50周年記念事業の一環として企画されたもの。「戦争のない平和の尊さ」をテーマに、神奈川県遺族会が所有する戦没者の戦地遺骨収集現場や戦没者遺児による海外での戦没地慰霊の写真が展示された。

 また、多摩区遺族会の会員が持っていた写真も並んだ。堰地区の家庭防火隊の消火訓練の風景や、登戸での戦争で亡くなった人を悼む葬儀風景などの写真があった。

 義父が戦地に出向く間際に妻に送ったはがきを展示した河合陽子さん(74)。手紙には「これが最後の手紙になる」という旨が書かれており、死を覚悟していた内容だった。河合さんは「受け取った妻は当時26歳。とても辛いはがきだったと思う。戦争は誰もが辛い経験をする。絶対に起こしてはいけない」と語気を強めた。おじを亡くした同会副会長の手塚雅博さん(69)は「思った以上にたくさんの人が足を止めて見てくれた」と振り返る。父親を亡くした大津会長(81)は貧しい少年時代を過ごした。まだ父親の遺骨は見つかっていない。「戦後78年。長い歳月が戦争を風化させつつあることを肌で感じる」と述べた。

 パネルを見ていた70代の女性は「写真には笑顔のものもあった。だが、内心は本当に辛い思いだったことが想像できた」と感想を話した。

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