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中原区 文化

公開日:2023.04.14

〈東日本大震災 福島から中原〉
日本舞踊が生きがい

  • 舞台で踊りを披露した武内さん(右から2番目)

 東日本大震災と福島第一原発事故から12年。福島県楢葉町から中原区へ避難してきた武内英子さんは、故郷に思いをはせながら、中原で出合った日本舞踊に魅せられ生きがいとして暮らしてる。

 大震災を受け、いわき市の小学校体育館へ避難していた武内さんは、持病の薬を切らしたことをきっかけに親戚の住む中原区へ避難を決めた。震災から数日後、まだ電車が動いておらず、迎えの待つ東京までタクシーを乗り継いで出てきた。

 移り住んでからは、原発による風評被害などもあり「避難者であると知られたくない」とひっそりと暮らすように。そんな中、6年前に偶然知り合った人から誘われたのが日本舞踊だった。故郷で踊っていた経験もあり、市民館のサークルに参加。習い始めると本格的な踊りを習えることに驚いた。講師は伝統文化継承に力を入れ、市民文化賞も受賞している藤嶋とみ子さん。「丁寧に時に厳しく教えていただいている。古典の踊りを基本から学べることは貴重な体験で楽しい」と笑顔を見せる。先月25日には、同じサークルの5人と初めて発表会に参加し舞台で踊りを披露。「緊張して思うように踊れなかったけれど、一生懸命練習して上達することが今の生きがい」と話す。

 震災から12年。武内さんは「中原区で最期まで」と決めているが、住民票は楢葉町に残した。「復興はまだまだ先と感じる。見守り続けたい」

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