中原区 社会
公開日:2026.01.01
中原区内在住堀越陽介さん
高齢者向け災害放送を研究
能登半島地震を機に
能登半島地震が発生してから2年―。この地震をきっかけに、災害放送について研究を行っている中学生がいる。区内在住で慶應義塾湘南藤沢中等部に通う堀越陽介さん(1年)だ。
堀越さんは、昨年、慶應義塾大学が次世代人材育成事業の一環として実施している、次世代科学技術チャレンジプログラム「KEIO WIZARD“GLOCAL”」に参加。自分が興味を持つテーマを研究し提言を行うアドバンスドコースを受講している。そこで、堀越さんが選んだテーマが「高齢者に対する災害放送」だった。
思い出の地
堀越さんは、小5のときに学校の宿泊遠足で能登半島を訪れ、輪島の朝市で話した年配の女性に親切に接してもらったことが楽しい思い出になっていたという。その能登半島が、2年前の元日、突如地震に襲われた。「テレビで現地のようすを見て、あのときのおばあさんや輪島の人たちが心配だった」。2月に家族と現地へ向かったが、被害が大きく能登半島を訪れることができなかった。この時から「何か力になりたい」と考えていたという。
昨年5月に念願がかない、輪島を訪問。そこで出会った酒屋のおばあさんから当時の状況について「年寄りが多いから避難が大変だった。災害放送が聞こえなかった」という話を聞いた。「年配の人でも聞こえて理解ができる災害放送を考えたい」と研究を始めた。
AIで音声作成
災害放送自体を知らなかった堀越さん。詳細を調べることから始め、実際の音源も試聴。AIを活用して音声を作成することに。昨秋に行われた木月一丁目町会の安否確認訓練で参加者に作成した音声を聞いてもらい、「高低の音域」「速さ」「命令形・丁寧語」に分け、聞き取りやすさのアンケートを行った。「低音(男性の声)」「低速」「丁寧語」が一番わかりやすいという結果に。「人によって聞き取りやすさが違った。高齢になると音声が速かったり、高音が聞き取りにくいということも分かった」と堀越さんは分析する。
「備えが大事」
今後は、音声に改良を加え、実際に使えるようにしていきたい考えだ。「放送が聞こえて理解できたとしても、実際に行動できるように備えることが大事。そのために防災訓練などに参加してもらいたい」と呼び掛ける。昨年夏、2度目の輪島を訪問した際に、地元の人に改めて当時の状況や今の生活について話を聞いた。「被災後、みんなが助け合って生活をしていて、地域のつながりの大切さを感じた。能登半島の復興はまだ。現地が今どういう状況なのか知ってもらえるよう、自分の経験を伝えていきたい」と話している。
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