川中島中学校美術部(顧問・鈴木眞帆教諭)の2年生3人が、藤崎こども文化センター(工藤優子館長)の入り口に手掛けた壁画が11月5日に完成した。約2カ月間の制作期間中、完成を待ち望む地域住民らから応援の声を受けながら作り上げた。
壁画制作は「古びた塀に地域の中学生に絵を描いてもらいたい」との同センター依頼からスタートした。同中学校美術部は早速、原画案3点を制作。同センターと、併設されている老人いこいの家の利用者らからの投票でデザインを決定した。
原画を担当した佐藤桃佳さんは「子どもたちが集まる建物。明るく鮮やかなイメージで親しみやすさを出したかった」とカラフルなデザインに。左側には表情豊かな丸みをおびた5体のキャラクターが並び、右側には積みあがった立方体が描かれている。
キャンバスとなったのは高さ約136センチ、幅約367センチの塀。水に強いアクリル絵の具で7月上旬から制作を開始した。凹凸があり普段描きなれないサイズの作品に戸惑いつつも楽しみながら筆を進めた。
緊急事態宣言中は作業を一時中断。地域住民や利用者からは完成を待ち望む声が多数聞かれたという。伊東帆希(ほまれ)さんは「道を通る人から『頑張って』と声をかけてもらったり差し入れももらいうれしかった」と振り返る。末藤樹梨さんは「自分が描いた作品がずっと残るのは自慢」と誇らしげに語る。
「居場所知って」
壁画制作の目的の一つは、同センターの存在の周知。担当した榎本佳世子さんは「奥まっていて場所も分かりづらい。まずは知ってもらうこと」と話す。センターの利用は0歳から18歳までが対象だが、利用者の多くは小学生以下。自分たちも使えることを知らない中学生も多いという。「待ち合わせや勉強など、自由に使える居場所があることを知ってほしい」と榎本さん。同センターの岩井智美さんは「制作を通して職員と住民、中学生などたくさんの方との交流が生まれた」といい、今後も地域と連携した取り組みを進めていきたいと展望を語った。
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