今年度の「かわさきマイスター」に認定された 齋藤 正剛(せいごう)さん 古市場在住 57歳
技術を追求し続ける料理人
○…優れた技術や技能を持つ職人として認定される「かわさきマイスター」に今年度選ばれた。古市場で59年続く老舗の寿司店「寿司せん」の店長。寿司職人として36年の経験と、4年に一度開かれる全国すし技術コンクールで数々の賞を受賞した実績などが評価された。「正統なすしの技術を評価されたのは大変名誉なことです」と喜びを表す。
○…料理人になろうと決めたのは古市場小学校に通っていた頃。親戚の店でラーメンを作ると「とても美味しいね」と褒められ、嬉しかったことが原体験。寿司の道を選んだのは、通学路にあった「寿司せん」で仕込みの様子を見るのが楽しく、夢中になったから。「大きな魚をおろしたりするのが面白かった。ずっと見ていても飽きなかった」と懐かしむ。高校から「寿司せん」でアルバイトし、専門学校では栄養の知識や西洋料理、中華料理などを学んだがこれも寿司のため。「ほかの世界のことも学んでおけば、役に立つと思ってね」と語る。
○…週一日の休みの日も、気になる店の料理を研究し、雑誌を読んではどのような料理が流行っているかを調べるなど、料理人の研鑽にあてている。自身も「食べることは大好き。特に肉料理がね」とにっこり。家族サービスは「夫人や娘に、焼き魚や煮魚などをふるまうこと」と優しい父親の顔を見せる。「だけど、パスタは美味しくないみたい」と苦笑する。
○…「私の知らないことはまだまだ多い。寿司職人として頑張っていくためにも、学ぶことはたくさんある」と表情を引き締める。配達をしていたころの顧客には今でも声をかけられるという。「マイスターを受賞した時もおめでとうと言われた」と笑顔に。笹の飾り切りや細工すしなどの技術は、先輩や師匠から教わった大切な技術。「美味しい寿司を提供するのはもちろん、自分が育てられたように、若い人たちを育てていきたいですね」
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