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幸区 人物風土記

公開日:2016.02.19

今年度の自治功労賞の受賞者に決まった
鏑木 茂哉さん
河原町在住 68歳

豊かに住める街を求める

 ○…河原町団地13・14・15号棟自治会長を32年務め、住民自治の発展、地域福祉の向上に貢献したことが認められ自治功労賞を受賞した。「賞を頂くのは気恥ずかしいから、今回も断ろうと思っていたけど。多くの方が後押ししてくれたから」と謙遜するも、「この賞ができて以来、本当に貢献した人がもらうべきと全町連で話し合ったこともある。受賞できて光栄です」。

 ○…15棟の団地が並ぶ河原町。1975年、建築された当時から住んでいる。多い時は約2万人の住民が住んでいた。「若い頃、自治会の会合で、摩擦を恐れず熱い議論をしたこともある」と地域にかける思いは強い。「PTA会長や保護司なども天職だと思った」と語る。現在は幸区町内会連合会の会長なども務め、多忙な日々を過ごす。95年、川崎市議会議員選挙で当選。議員歴は20年以上、市議会議長に就いたこともある。

 ○…47年、小向生まれ。音楽好きは有名。高校生の時、兄の影響でクラシックの虜に。「ブラームスやベートーベンなど、褪せない音色にひかれた」。夫人との出会いも音楽がきっかけだった。守衛のアルバイトをしていた時、演奏会をテレビで見ていると偶然通りかかった夫人と音楽の話で盛り上がり意気投合。結婚後、二人の娘に恵まれたが、18年前に夫人を交通事故で亡くした。「それからは地域活動に没頭した。でもコンサートに行く時は、チケットを妻の分と2枚持っていくんだ」と優しく微笑む。

 ○…「地域のことに関心を持つ人が減り、住民同士の関係も希薄になっている」と地域の課題を挙げ、「町会の役員が中心となり、地域を守るシステムを構築できれば理想的」と構想を描く。「子どもの頃から、子ども会や青年部などに加入し行事に関わり、仕事をやめたら地域に恩返しをするのもいいよね。そういう意識を持てるように啓発したい」と力を込める。「町内会活動が機能し、豊かに住める街づくりが目標ですね」

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