幸区 人物風土記
公開日:2016.04.08
第20代幸消防署署長に就任した
高橋 俊勝さん
横浜市在住 57歳
経験糧に地域安全担う
○…「これまで歴代の署長が築き上げてきたものを守りながら、自らも負けないように頑張っていきたい」と意気込む。幸署は最初に赴任し、基礎を学んだ思い出の場所。以降、異動を繰り返し3度目の赴任に「地元に戻ってきたという想い。署長職は初めてだが、地域の防災、安全の担い手として区民の皆様のために貢献したい」と語る。146人の署員と共に幸区の安全に取り組む。
○…消防局長を務めた父の背中を見ているうちに、自らも消防士を目指すようになり、1981年消防局に入庁した。全国でも有数のコンビナート都市・川崎臨海部で、主に危険物取扱いの管理、指導などを担当。キャリアの中で、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起きた年には消防庁へ出向し、北海道有珠山の噴火の際には現地に2週間派遣されるなど、非常時の経験も積んできた。「この経験を若い署員に伝えるのも私の役目です」
○…58年、中幸町生まれ。幸町小、南河原中学に通い、学生時代をずっと幸区で過ごしてきた。「小さい頃には何もなかったが、マンションや商業施設が増え、街の様相も変わったね」と語る。体を動かすのが得意で大学時代はスキーやサーフィンに夢中になり、現在は健康のためにウォーキングをしているという。約3年前に妻を病で亡くし、高校生の一人娘を育ててきた。署長就任を伝えると、「娘がおめでとうと言ってくれた」と照れながら微笑む。
○…救急利用件数の増加、救急隊員や消防団員の不足、放火による火災の増加など課題は多い。中でも消防団との連携を重要視。「車で例えると両輪のようなもの、一つ欠けると方向性を見失う。同じような目的意識を持って区内の防災に取り組んでいきたい」と力を込める。そして、「首都直下型地震は30年以内には発生すると言われており、備えておかなければならないことはたくさんある」と表情を引き締めた。
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