東芝未来科学館の2代目館長を務める 岩切 貴乃さん 世田谷区在住 55歳
意志を貫く強さを持つ
○…東芝や電化製品の歴史に触れ、最新技術などが楽しめる東芝未来科学館の館長を務めて半年。「今は裏方の準備の大変さを実感している」。本社との調整や他の科学館と情報交換を行い、社内で共有するなど約40人のスタッフとともに日々奮闘。「展示物を見ているお客様に解説を付け加え、表情が明るくなったときはやりがいを感じますね」。
○…大学を卒業後、東芝に入社。事務系の入社試験の中で技術系で働きたいと申し出たところ受け直すように言われた。「希望を聞いてくれるなんて良い会社だ」と入社を決めた。入社後は技術畑を歩んだが、研究者ではなく世界で通用するビジネスパーソンになろうと、上司や異動先に志願して海外向けパソコンの商品企画に携わった。その後はダイバーシティや女性活躍推進の部門へ。「女性も役職に就くチャンスを獲得してほしい」と、リーダーシップや傾聴などのスキルを10日間かけて学ぶ講座を積極的に開講し、社内の女性人材育成に貢献した。
○…千葉県出身。自身の性格は「小さいときから大人しかったけれど、意志は強かったのよね」と微笑む。幼稚園から帰宅後、男子用の名札が付けられていたことに気付くと、すぐさま一人で歩いて幼稚園に向かい、取り換えてもらったエピソードも。母親や教師は俊敏な行動力に驚いた。趣味は「自然にどっぷり浸かれる」という登山。同僚や友人と楽しむが、目下の悩みは休みが合わず参加できないこと。昨夏は一人で北アルプスの縦走に挑戦。4泊5日かけて達成した。
○…今後の目標は「大人も子どもも一つでも発見を持ち帰り、刺激を与えられる科学館にしていくこと」。「来館者の好奇心を引き出していきたいですね」と意気込む。また「あまり詳しくなかった自社の歴史や技術の変遷が面白いと感じるようになった」と話し、「来館者や社員にもこの感動を伝えていきたい」と使命感溢れる表情を見せた。
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