神奈川の街の変化を記した著書「かながわの街の歴史」を出版した 小方 武雄さん 鵜野森在住 70歳
自らの経験、若者へ
○…地元神奈川を道、港、鉄道の視点から記した著書『かながわの街の歴史』を出版した。県庁に勤めていた頃、後輩職員への指導の際に内容をわかりやすくまとめたのをきっかけに本の執筆に興味を持つ。「本は読み続けることが大事。そこから何か一つでも得るものがあればいい」。歴史的背景を探る手掛かりになるのでは、と昔の地図を研究し、県庁で身につけた土地利用の知識を発展させ一冊にまとめた。
○…生まれも育ちも相模原。東京大学工学部土木工学科に進学したが、本格的に土木工学の道に就職しようと決心したのはある意外なきっかけだった。進路に悩んでいた大学2年の秋口のこと。「この電車が走っているのは下にレールが敷いてあるおかげ」と乗車中にふと考えた。日本各地を駆け抜ける電車、その土台であり、支えとなる土木工に改めて惹かれた。その後、神奈川県土木部道路建設課へと進み、長きに渡り神奈川の地盤を陰ながら支え続けた。
○…古稀を迎えた今でも体は健康そのもの。秘訣は欠かさず続けるストレッチやウォーキング。近所の子どもたちとの交流も楽しみの一つで、趣味で始めた太鼓は子どもたちから羨望の眼差しで見られるほどの腕前に。「昔ながらのものを今の子たちに残していきたい」。本であろうと太鼓であろうと、自らの経験を今の世代に伝えるその思いは変わらない。
○…「やり残したことがまだまだあるんです」。今後は長年住んできた地元鵜野森の歴史を、新たに土木の視点で掘り下げる予定。「土地にはそれぞれ歴史や地名の由来がある。それを解き明かすのが好き」と少年のように目を輝かせる。これからの時代を作っていく若者たちがより良い未来を築けるように。地元神奈川の歴史や文化を伝える活動はまだまだ続いていく。
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