さがみはら南区 人物風土記
公開日:2013.01.24
スピードスケートで2013年スペシャルオリンピックス冬季世界大会に出場する
小山 紗百合さん
緑区東橋本在住 23歳
泣いて笑って一番めざす
○…韓国ピョンチャンで1月29日に開幕する、4年に1度の知的発達障害者スポーツの祭典「スペシャルオリンピックス冬季世界大会」でショートトラックのスピードスケート111m、222m、333mの3種目に出場する。大会を直前に控え「今度こそ金メダルを取りたい」と前を見据える。初出場で最高2位に終わった2009年の前回大会(米アイダホ州)。悔しい記憶を胸に4年前のリベンジを果たす時がきた。
○…祖父、母がスケート選手という家庭に生まれ、10歳でリンクに立った。全日本の強化選手として活躍する2歳上の姉・友香里さんの「滑り」は常に目標だ。東神奈川のリンクで月2回汗を流すほか、仕事の合間を縫って走り込みも続けている。「ちょっと太ったんじゃない」。アスリートの視点で鋭くチェックをする姉は一番厳しいコーチでもある。そんな時は運動着に着替え「すぐ外に出ます」と笑った。
○…仕事は福祉施設でクッキー作りなどに取り組む。当初、一連の動作を覚えるまでに時間はかかったが、何度失敗しても最後までやり通した。今では後輩も入り、テキパキと作業をこなす。疲れを癒すオフは、アイドルグループ嵐の番組を見て楽しむ。「歌もダンスもカッコいい」。特に櫻井翔さんの大ファンで、コンサートのうちわは宝物だ。
○…仕事で学んだ諦めない心は、レース後半で失速しがちだった一人のスケーターを大きく成長させた。昨年一年間でベストタイムが4秒も縮んだのだ。レース前に不安から涙を流すようにもなった。アスリートとして「ベストを尽くす」という責任感が増した証拠かもしれない。スタートラインに立つと自然と迷いが消え、颯爽と滑る。いつか未来の後輩たちへ「スケートの楽しさを教えたい」という夢も抱いている。まずは目の前の大舞台へ。泣いて笑って一番をめざす。
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