リオデジャネイロパラ五輪銀メダリストで、「ウイッツコミュニティ」に入社し事務を務める 鹿沼 由理恵さん 町田市在住 35歳
不屈の「鉄人」で五輪めざす
○…リオ・パラ五輪の自転車女子タンデム個人ロードタイムトライアルで銀メダルを獲得。今回、縁あって障害者支援とアスリート支援に注力する地元企業・ウイッツコミュニティに入社した。地域密着の活動を希望していたこともその契機となった。あらゆる行動をトレーニングに結び付け、通院の際も、病院まで走る。「道端で声を掛けられると嬉しい」と屈託なく笑う。
○…町田市出身。先天性の弱視で視界の範囲が狭い。それでも運動好きの兄の影響で体を動かすのが大好きに。短大時代に通った障害者スポーツセンターでクロスカントリーと出合い、バンクーバー・パラ五輪に出場した。その後、ソチに向けての練習中に転倒し左肩を負傷。無念の中ソチを断念するも、同じクロカンの選手がタンデム競技で好成績を残したのを知り、タンデムに転向。クロカンで培った度胸は、五輪本番でギアが切り替わらないといったアクシデントをも跳ねのけ、見事銀メダリストに。「町田駅の看板に大きな自分の名前を見つけたときはビビりました」とおどける。
○…トレーニングは欠かさないが、時には「やまなみ温泉」でのんびりと。それでも、「走って行きます。道を探したりして行くのが好きなんです」。最近は酒まんじゅうの店を見つけ、お気に入りに。和菓子には特に目がなく、「勝負メシ」は「きびだんご」。もちろんリオにも持ち込み、試合開始1時間前に食べた。
○…障害者競技の言葉が独り歩きするのを危惧する。自らのプレーを通じて行政や企業と共に、さらなる競技普及を図り、その一端を担う構えだ。そして、東京パラ五輪のスタンドを人で埋め尽くすのが目標。東京では「鉄人」競技・トライアスロンで出場をねらう。「会場に来てもらい、皆で同じ時間を共有してくれたら。それが共生社会など、その先につながると思います」。「ウイッツ」の応援を支えに今度は不屈の「鉄人」となり、次世代の道筋を照らす。
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