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公開日:2025.08.07

相模原市消防局
映像通報システム導入へ
運用開始は今秋の見通し

  • スマホの撮影映像が指令センターと共有される(写真はイメージ/相模原市消防局提供)

 119番の通報者がスマートフォンで撮影した現場映像を通信指令員が同時に確認できる「映像通報システム」の運用開始へ向けて、相模原市消防局が準備を進めている。現場状況の映像を指令センターと共有することで災害活動などの効率化を図る。順調に進めば9月からスタートする。

6割がスマホ利用

 映像通報システムは、交通事故や急病などの際、現場の状況をスムーズに把握しようと全国的に導入が進められている。同局には昨年1年の間に約6万2千件の119番通報が寄せられた。そのうち6割ほどがスマートフォンなどからの通報で、その割合は年々増加していることから、同システムを導入することで効果的な災害活動につながると判断した。

 システムを使うと、通報者は言葉で伝えることが難しい現場の状況を映像で伝えることができる。通信指令員は傷病者などの様子を映像で確認し、心肺蘇生や止血などの救急措置の方法を指導したり、火事の場合であれば煙の色などから状況を見極めたり、隊の増強を今までよりも早い段階で判断できるようになるという。さらにスマートフォンの位置情報から現場が特定できる点なども有用だ。

まずは119番に

 同局指令課の小久保和良総括主幹は「事前登録やアプリのダウンロードは必要ありません。119番に通報するところまでは今までと変わりません」とシステムの操作が難しくないことを強調する。

 指令員は音声通話だけでは状況把握が難しい場合などに、必要に応じて映像撮影の協力を通報者に依頼する。その後、映像通報システムを起動するリンクアドレスを指令員から通報者にショートメッセージ(SMS)で送信。通報者がこのアドレスにアクセスするとカメラが起動し、現場の映像がリアルタイムで指令室に送られる仕組みだ(通信料金は通報者の負担)。

 懸念されるのが、システムの認知が進むまで、通報者が災害現場を撮影していることによるトラブル。小久保さんは「災害現場救命率の向上のためにも理解と協力をお願いしたいです」と話す。また、映像送信時の安全確保、他人の敷地に勝手に踏み込まないなどの配慮が求められる。

警察は23年から

 神奈川県警では同様の仕組みの「110番映像通報システム」を23年から運用している。

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